在宅介護をしていると、「介護だけなら何とか続けられるけれど、医療が必要になったらどうなるんだろう」
そんな不安に、ふと立ち止まる瞬間があります。
私自身、母の体調が不安定になった時期に、
「もう自宅だけでは限界かもしれない」
そう感じたことがありました。
そのとき初めて、医療が生活の中心になる人のための施設として知ったのが介護医療院です。
名前は聞いたことがあっても、実際にどんな人が対象で、どんな暮らしになるのかは、
意外と知られていない施設だと感じました。
この記事では、今は介護する立場、でもいつかは介護される側になるかもしれない、そんな自分ごとの視点で、介護医療院を整理しています。
この施設はどんな人が対象?
介護医療院は、
長期的な医療と介護の両方が必要な高齢者を対象とした施設です。
主に想定されているのは、次のような方です。
- 要介護1〜5の認定を受けている
- 日常的に医療的ケアが必要
- 病院での急性期治療は終わったが、退院後の生活が難しい
- 在宅介護や一般的な介護施設では対応が難しい状態
「介護施設」というより、医療を受けながら生活する場という位置づけに近いと感じます。
元気な場合・病気になった場合も住み続けられる?
介護医療院の最大の特徴は、原則として、長期入所が前提であることです。
- 入所期限の定めは基本的になし
- 医療依存度が高くなっても住み続けられる
- 看取りまで対応する施設も多い
老健のように「在宅復帰を目指す通過施設」ではなく、
人生の後半を医療とともに過ごす場所として設計されています。
「もう住み替えを繰り返したくない」
「この先、状態が悪化しても安心できる場所がいい」
そんな状況で選ばれる施設です。
介護保険は使える?使えない?
介護医療院は、介護保険が使える公的施設です。
- 介護保険が基本
- 医療部分は医療保険が適用
- 原則1〜3割負担(所得により異なる)
医療と介護の両方が制度として整理されているため、在宅で医療対応を続けるより、家族の負担が大きく軽減されるケースも多いと感じます。
入居一時金・月額費用の目安
介護医療院も、公的施設のため入居一時金はありません。
費用の目安は、
- 月額:10万〜18万円前後
- 介護度・医療内容・部屋タイプで差あり
主に含まれるものは、
- 居住費
- 食費
- 介護サービス費
- 医療管理
「医療が常に必要な状態」であることを考えると、
費用と安心感のバランスは、比較的現実的な施設だと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際の暮らしはどんな感じ?
介護医療院での生活は、
病院に近い部分と、生活施設としての側面が混ざっています。
- 個室または多床室
- 医師・看護師が常駐
- 日常的な医療処置あり
- リハビリは必要に応じて実施
- 外出・外泊は原則制限あり
「自由な暮らし」を求める場所ではありませんが、安心と安全を最優先にした生活環境が整っています。
入居を考え始めたら、どこに相談すればいい?
介護医療院は、医療と介護の両方の窓口から相談することが多い施設です。
主な相談先は、
- 病院の医療ソーシャルワーカー
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 市区町村の介護保険窓口
特に、
「退院後の行き先に困っている」
「医療的ケアが続く見込み」
という場合、病院側から提案されることもあるようです。
この施設が向いている人・向いていない人
向いている人
- 医療的ケアが日常的に必要な方
- 在宅介護が医療面で限界に近い場合
- 住み替えを繰り返したくない方
- 看取りまで見据えて安心できる場所を探している方
向いていない人
- まだ医療依存度が低い方
- 自由な外出や生活を重視したい方
- 一時的な入所先を探している方
在宅介護と比べて感じるメリット・デメリット
メリット
- 医療と介護を一体で受けられる安心感
- 家族が医療対応を抱え込まなくて済む
- 長期的に住み続けられる
デメリット
- 生活の自由度はかなり低い
- 「自宅らしさ」は感じにくい
- 入所できる施設数が限られている
まとめ|介護医療院を「選択肢として知っておく意味」
介護医療院は、まだ考えたくない施設と思われがちかもしれません。
けれど、在宅介護をしていると、医療が生活の中心になる瞬間は、ある日突然やってくることもあります。
そのときに、
- 慌てて探すのか
- 事前に知っていた選択肢から選ぶのか
この違いは、介護する側・される側の負担を大きく左右します。
介護医療院は、「在宅介護を諦めた人の施設」ではなく、医療が必要になった人生の段階を、穏やかに過ごすための場所。
今すぐ使う予定がなくても、知っておくこと自体が、在宅介護を続けるための安心材料になると感じています。

