介護の道標|親の老いと向き合い、選択に迷ったときに考えたいこと

介護の選択に迷うときの分かれ道を表した矢印のイメージ

親の介護が始まると、「この選択でよかったのだろうか」「どう考えればいいのか」と迷う場面が増えていきます。この記事では、90代の母を在宅で介護してきた体験をもとに、選択に迷ったときに立ち返ってきた考え方や、判断の軸になった視点をまとめています。

介護は、ある日突然「考えなければならないこと」として目の前に現れます。

元気だったはずの親が、年齢とともに少しずつ変わっていく。
その変化に気づいたとき、私たちは戸惑いながらも、いくつもの選択肢の前に立たされます。

この文章は、友人との何気ない会話をきっかけに、
「親の介護とどう向き合うか」
「どんな道を選べばいいのか」

迷いながら考えた、そのときの記録です。
介護の方法や正解を示すものではありません。

親の老いと向き合ったとき、何を考え、どんな選択肢があるのかを、静かに整理するための文章です。

目次

友人の話から見えた、介護の現実

先日、友人と食事をしているとき、自然と親の介護の話になりました。

友人のお母さまは90歳。現在は一人暮らしをしており、少し認知が始まっているようで、彼女も心配している様子でした。住まいの距離は車で一時間半ほど。

友人は自分で事業をしており、頻繁に通うには距離があり、同居となると仕事を続けることが難しくなります。
彼女の自宅に来てもらう選択肢もあるけれど、本人がきっと首を縦に振らないだろう、とも話していました。

施設を検討する必要もある。
近いうちに、きちんと話し合わなければならない。
そう言いながらも、彼女の表情には迷いがにじんでいました。

親の介護で判断に迷ったとき、選択肢は一つではない

ここ最近、同じような悩みを抱える友人が増えています。

もともと同居している人。
長年離れて暮らしている人。
すぐに駆けつけられない距離に住んでいる人。

老々介護をしているご家庭もあれば、まだ介護認定を受けていないケースもあります。
介護は、100人いれば100通り

誰かの正解が、そのまま自分の正解になるとは限りません。
それぞれが、自分たちの暮らしに合った「介護の形」を探していくしかないのだと思います。

離れて暮らしているからこそ、難しい現状把握

親が要介護認定を受けていれば、地域包括支援センターやケアマネジャーさんの力を借りることができます。
けれど、認定を受けていない場合、離れて暮らしていると現状把握そのものが難しくなります。

・普段、誰と交流しているのか
・近所に頼れる人はいるのか
・体調や生活の変化はないか

こうしたことが分からないまま、突然、認知症が進んだり、倒れてしまったりするケースも少なくありません。

親が「分かるうちに」知っておきたいこと

姉弟や親戚、親しいご近所の方など、親御さんがまだ意思疎通できるうちに把握しておくことは、本当に大切だと感じています。

我が家の母も、外で会える友人が一人、また一人といなくなり、「友達がいなくなってしまった」と寂しそうに話すことがありました。
友人が一人もいなくなる日常は、想像以上に心細いものなのだと思います。

90代という現実と、選択の分かれ道

80代のうちは、まだ一人での生活が可能な場合もあります。
けれど、90代になると、現実は厳しくなってくると感じます。

この先どうしたいのか。
そして、どうすることができるのか。

話し合う時間は、決して無駄ではありません。
選択肢は、大きく分けると

  • 同居する
  • 近くに住んで見守る
  • 施設にお願いする

この三つに絞られていくことが多いように思います。

情報を集め、自分で納得するしかない

介護サービスは多様化しています。
情報を集め、相談し、考え抜いたうえで、最終的には「自分で納得できる結論」を出すしかありません。

私自身も、母が怪我をし、ぼんやりが始まるまでは、どこかで「母はずっと元気でいるもの」と思い込んでいました。生身の人間なのに、心のどこかでサイボーグのように扱っていたのかもしれません。(笑)

これからの時代、介護は誰にとっても身近な問題

2030年には、日本の人口の31.1%が65歳以上になると言われています。
国民の約3人に1人が高齢者になる時代です。

介護は、特別な家庭だけの問題ではありません。
どの家庭にも、いずれ向き合う可能性があります。

だからこそ、少し立ち止まり、親の現状を知り、分からないことを調べ、話し合う時間を持つこと。
それが、一人一人のこれからの介護の「道標」になるのだと思います。

在宅介護の中で感じた日々の迷いや気づきは、こちらのページにまとめています。
 ▶ 在宅介護の体験と暮らしの記録

もし今、
「具体的に何から始めればいいのか」
「制度や相談先を整理したい」
と感じている方は、こちらの総合ガイドにまとめています。
 ▶ 自宅で介護を始める人へ|在宅介護の始め方・相談先・支援サービス総合ガイド

また、
「まだ何も決められない」
「不安が大きく、まず気持ちを落ち着けたい」
という方は、こちらの“最初に読むページ”も参考にしてみてください。
 ▶ 「自宅で介護したい」と思ったら最初に読むページ|手続き・サービス・心構え

介護に迷いはつきものですが、気持ちが限界に近づいているときは、まず心を立て直すことが大切だと感じています。
   ▶ 在宅介護がつらいと感じたときに|介護中でも「できること」を見つけるための実体験


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90代の母を在宅介護する筆者

いとう よしみ

90代・要介護4の母を自宅で介護しながら、実体験をもとに
「無理をしない在宅介護の工夫」を記録・発信しています。

介護の現場で本当に役立った
介護保険サービスの使い方、在宅介護に便利なグッズ、
生活を少し楽に整える工夫を、体験ベースでわかりやすくまとめています。

同じ立場の家族介護者が、
「自分だけじゃない」と感じ、
少しでも気持ちを軽くできるような情報を大切にしています。

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