在宅介護が始まると、生活のすべてに少しずつ「介護」が入り込んできます。
特別な出来事ではなく、食事、睡眠、家事、仕事――
その一つひとつが、介護と重なっていく感覚です。
このページは、介護のやり方や制度を説明するためのページではありません。
私自身が、要介護4の母と暮らす中で感じてきた在宅介護の現実、迷い、続けるための工夫を、
「体験の入口」としてまとめています。
必要なところだけ、拾い読みしていただいて大丈夫です。
在宅介護とは|暮らしの中に介護が入り込んでいくということ
在宅介護とは、
介護施設に入所せず、自宅で生活を続けながら介護を行うことを指します。
ただ、実際に始めてみて感じたのは、
在宅介護は「介護をする時間」だけの話ではない、ということでした。
- 起きる時間
- 食事の準備
- 外出の予定
- 夜中の物音
暮らしのすべてが、介護とつながっていきます。
施設介護と在宅介護のどちらが良い・悪いという話ではなく、
「暮らしとしてどう続けられるか」を考えるのが、在宅介護だと感じています。
在宅介護の日常で実際に起きた出来事や気づきは、
▶ 在宅介護の体験と日々の記録 にまとめています。

在宅介護のメリット|「暮らしが続く」という安心
在宅介護の一番のメリットは、本人にとって、これまでの暮らしを大きく変えずにいられることだと感じています。
- 住み慣れた家
- 見慣れた景色
- いつもの生活リズム
特別なことではなくても、
こうした「変わらない日常」があることは、想像以上に大きな安心につながります。
母の場合も、入院中は表情が硬くなり、無表情に近い顔つきになっていました。
食欲や会話も減り、「目は口ほどに物を言う」と言いますが、その目には感情の動きが感じられず、一点を見つめているような状態が続きました。
正直なところ、このまま元に戻らないのではないかと、強い不安を感じた時期もあります。
けれど、自宅に戻ると、少しずつ笑顔が戻り、口数も増え、眼差しにも、また温度が感じられるようになってきました。
環境が変わらないことは、本人の安心だけでなく、
そばで支える家族の気持ちも、そっと支えてくれるのだと思います。
在宅介護を選ぶ理由は、人それぞれ違います。
けれど「暮らしを続けたい」という思いが、選択の中心にある方も多いのではないでしょうか。
在宅介護のデメリット|見えにくく積み重なる介護者の負担
一方で、在宅介護には大きな負担もあります。
- 24時間、気が抜けない
- 急な体調変化への不安
- 仕事や自分の生活との両立
- 「何かしているわけではないのに、ずっと疲れている」
そんな感覚に、何度もなりました。
在宅介護は、外からは見えにくい負担が、静かに積み重なっていく介護でもあります。
在宅介護は「良い・悪い」で決められない
在宅介護は、向いている・向いていないで簡単に割り切れるものではありません。
- 家族構成
- 介護度
- 使えるサービス
- 経済状況
- 介護者の体力や気持ち
条件が一つ違うだけで、続けやすさは大きく変わります。
だからこそ、「在宅介護が正解」「施設介護が正解」という話ではなく、その家庭にとって、今どんな形が無理なく続けられるかを考えることが大切だと思っています。
在宅介護は、
条件や制度だけで割り切れるものではなく、
実際の暮らしの中で、少しずつ形が見えてくるものだと感じています。
もし、在宅介護を「実際の暮らしの中ではどう感じるのか」という視点で読みたい方は、私自身が、要介護4の母と暮らす中で感じてきた在宅介護のメリット・デメリットや、「暮らしとしての介護」については、
別ページで詳しくまとめています。

在宅介護を支える介護サービスという存在
家族だけで抱え込まなくていい
在宅介護は、
家族だけで完結させるものではありません。
- デイサービス
- 訪問介護
- 訪問リハビリ
- 訪問看護
これらのサービスを使うことで、介護は「続けられる形」に近づいていきます。
👉 介護サービスの考え方や使い方はこちら

在宅介護で避けて通れない介護費用の不安
我慢ではなく、知って整えるという考え方
在宅介護では、毎月必ずかかる介護費用が、じわじわと家計に影響してきます。
- おむつ
- 介護用品
- サービス利用料
- 医療費
節約という言葉に、
「我慢」や「削る」イメージを持ってしまいがちですが、実際には「知って整える」ことで、負担が軽くなるケースも多くあります。
👉 物価の上昇で、介護にかかるお金が以前より重く感じるとき、 無理せず続けるための考え方や節約の視点を
▶ 物価高騰で介護費が不安なときに読むページ にまとめています。

在宅介護で一番後回しにされやすい介護者の心
介護を続けるために、介護者の生活も守る
在宅介護では、どうしても介護される側が優先され、介護する側の気持ちは後回しになりがちです。
- 眠れない
- 気が休まらない
- 誰にも話せない
それでも、介護を続けるためには、介護者自身の生活と心が守られていることが欠かせません。
在宅介護を続ける中で、 「もう無理かもしれない」と感じたときの気持ちは
▶ 介護者の心と向き合った記録 に残しています。

私が感じた「在宅介護とは」
私にとって在宅介護とは、「正解を探すこと」ではありませんでした。
その日一日を、どう終えるか
無理をしすぎていないか
明日も続けられるか
そうした小さな問いを、毎日の中で繰り返していくことでした。
まとめ|在宅介護は「続けられる形」を探すこと
在宅介護は、特別な知識や強さが必要なものではありません。
介護サービス
介護費用
介護者の心
この三つを、少しずつ整えながら、「続けられる形」を探していくこと。
このページが、今まさに介護をしている方にとっての休憩所に、これから介護に向き合う方にとっての静かな入口になれば嬉しいです。

