介護老人保健施設(老健)とは?対象者・費用・入居条件|在宅介護を続ける中で「通過点」として調べたこと

在宅復帰を目的とした介護老人保健施設(老健)でのリハビリと生活の様子

在宅介護をしていると、
「このままずっと家で介護を続けられるだろうか」
「一度、体を立て直す時間が必要なのでは」

そんな思いが頭をよぎることがあります。
私自身、母の体調が大きく崩れたとき、“自宅か施設か”の二択ではなく、その間にある選択肢として知ったのが

介護老人保健施設(老健)でした。
老健は、いわゆる「ずっと住む施設」ではありません。

けれど、在宅介護を続ける上で、知っているかどうかで選択肢が大きく変わる施設でもあります。

この記事では、制度の説明だけではなく、今は介護する立場、でもいつかは自分も利用するかもしれない、
そんな目線で老健を整理しました。

目次

この施設はどんな人が対象?

介護老人保健施設(老健)は、病院と自宅の“中間”に位置する施設です。

主な対象は、次のような方です。

  • 要介護1〜5の認定を受けている
  • 病院での治療は終わったが、すぐに自宅生活に戻るのが不安
  • リハビリを受けながら、生活機能を回復したい
  • 在宅復帰を目指している

「介護が必要=すぐ特養」というわけではなく、一度、体と生活を整えるために入る場所、それが老健の大きな役割です。

元気な場合・病気になった場合も住み続けられる?

老健を考える上で、最も大切なのがこの点です。

老健は、入所期限がある施設です。

  • 原則として、入所期間は 3〜6か月
  • 最長でも 1年程度が目安
  • 在宅復帰、または次の施設への移行を前提としている

つまり、老健は「最後まで住み続ける場所」ではありません。

ただしその分、

  • 医師が常駐
  • 看護師・リハビリ職がいる
  • 医療と介護の両方を受けられる

という、在宅介護では得にくい安心感があります。

介護保険は使える?使えない?

老健は、介護保険が使える公的施設です。

  • 入所費用の大部分に介護保険が適用
  • 原則1〜3割負担(所得により異なる)

医療的なケアと介護、リハビリがセットになっているため、在宅で同じ内容を整えるより、費用面・人手面ともに現実的な選択肢になるケースも多いと感じます。

入居一時金・月額費用の目安

老健は、公的施設のため、入居一時金は基本的にありません。

費用の目安は、

  • 月額:8万〜15万円前後(食費・居住費含む)
  • 介護度・部屋タイプ・所得によって差あり

含まれるものは、

  • 居住費
  • 食費
  • 介護サービス費
  • リハビリ

在宅介護でかかっている光熱費・介護用品・家族の負担を考えると、「一時的に老健を利用する」という選択が、結果的に心身を守ることにつながる場合もあると感じます。

実際の暮らしはどんな感じ?

老健での生活は、「施設」というより、医療とリハビリがある生活の場に近い印象です。

  • 個室または多床室
  • 食事・入浴・排泄の介助あり
  • リハビリは計画的に実施
  • 外出・外泊は制限あり(施設による)

自由度は高くありませんが、その分、回復と安全が優先された環境だなと思いました。

入居を考え始めたら、どこに相談すればいい?

老健は、病院や行政と強くつながっている施設です。

相談先としては、

  • 退院調整を行う病院の医療ソーシャルワーカー
  • ケアマネジャー
  • 地域包括支援センター
  • 市区町村の介護保険窓口

特に、「退院後すぐ自宅は不安」という場面では、病院側から老健を提案されることも少なくありません。

この施設が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 病院から自宅への移行に不安がある方
  • リハビリをしっかり受けたい方
  • 家族の介護負担を一時的に軽くしたい場合
  • 在宅復帰を目指している方

向いていない人

  • 長期間、同じ場所で暮らしたい方
  • 医療依存度が非常に高い方
  • すでに在宅復帰が難しい状態の方

在宅介護と比べて感じるメリット・デメリット

メリット

  • 医療・介護・リハビリが揃っている
  • 家族の介護負担が大きく軽減される
  • 在宅復帰への準備ができる

デメリット

  • 入所期間が限られている
  • 生活の自由度は低め
  • 次の行き先を早めに考える必要がある

まとめ|老健を「失敗しないために知っておく」

介護老人保健施設は、自宅介護をやめる場所でも、最終地点でもありません。

むしろ、

  • 一度立ち止まる
  • 体と生活を整える
  • 次の選択肢を考える

そのための “通過点” だと感じています。

在宅介護を続ける中で、
「もう少し時間があれば…」
「一人で抱え込まなくていい場所があれば…」

そう思ったときに、老健という選択肢を知っているかどうか。
それだけで、介護の見え方は大きく変わりますし、いつかの自分のためにも、知っておいて損のない施設だと思いました。

この記事は、「自宅介護が限界になる前に、施設をどう考えるか」を整理した全体記事の中の一施設です。

他の介護施設との違いや、全体の中での位置づけについては、
自宅介護が限界になる前に知っておきたい老人介護施設の種類と選び方
まとめて整理しています。

在宅復帰を目的とした介護老人保健施設(老健)でのリハビリと生活の様子

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90代の母を在宅介護する筆者

いとう よしみ

90代・要介護4の母を自宅で介護しながら、実体験をもとに
「無理をしない在宅介護の工夫」を記録・発信しています。

介護の現場で本当に役立った
介護保険サービスの使い方、在宅介護に便利なグッズ、
生活を少し楽に整える工夫を、体験ベースでわかりやすくまとめています。

同じ立場の家族介護者が、
「自分だけじゃない」と感じ、
少しでも気持ちを軽くできるような情報を大切にしています。

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