母に合うおむつを探すところから、研究は始まりました
母にとって一番快適なおむつを見つけたい。
その思いがきっかけで、私はパンツ型のおむつを中心に、いろいろな商品を試すようになりました。
最初は「どれも同じようなものだろう」と思っていました。
けれど実際に広げて、触って、細部まで見比べてみると、メーカーごとに驚くほど違いがあることに気づいたのです。
体型へのフィット感、素材のやわらかさ、吸収体の構造、履かせやすさ。
ひとつひとつに、作り手の工夫が詰まっていました。
おむつは、本人ではなく家族が選ぶことが多い
大人用おむつの難しさは、使う本人が選ばないケースが多い という点にあります。
体型や性別、生活リズムによって最適なものは違うのに、忙しい中で家族が「良さそうなもの」を選び、本人はそれを使う、という流れになりがちです。
その結果、「なんとなく合わない」、「違和感がある」と感じながらも、言い出せずに使い続けてしまうことも少なくありません。
人は人生で二度、おむつのお世話になる
人は生まれてすぐ、おむつを当ててもらい、一人で排泄できるようになるまでお世話になります。
そして、病気やケガ、加齢によって再びおむつに助けられる時期が来ることもあります。
もちろん、私自身もいつかはお世話になる商品です。
だからこそ、「仕方ないもの」、「我慢するもの」として扱っていいものではないと、強く感じるようになりました。
細部に宿る、メーカーの本気と愛情
いろいろな商品を調べていくうちに、「ここまで考えて作られているんだ」と感動する場面が何度もありました。
ギャザーの角度、縫製の仕方、吸収体の配置。
体型や性別を想定した設計。
これは、使う人の立場に立たなければできない開発 だと思います。
正直、「愛がなければ作れない商品」だと感じました。
大人にとって「おむつ」は、とてもデリケートな問題
多くの大人は、尿もれ用のパンツ型おむつでさえ、使っていることを人に知られたくありません。
中には「おむつなんて絶対にはかない」と強く拒否する方もいます。
要介護状態になっても、尿意や便意があり、意思表示ができるのに、おむつの中で排泄しなければならない。
それは、自尊心を大きく傷つけることもあります。赤ちゃんと違い、大人は“気持ち”を持っています。
だからこそ、意見が聞けるという強みがある
一方で、大人だからこそ、「どう感じたか」、「どこが嫌だったか」を聞くことができます。
介護する人、される人が、お互いに少しでも快適に過ごすためには、本人の好みに合うものが見つかるまで試すこと
これ以外に近道はないと感じています。
母との会話が、おむつ研究を前向きに変えた
母も最初は、「おむつするようになっちゃった」と、かなり落ち込んでいました。
そこで私は、こう伝えました。「お母さんが一番快適なおむつを見つけたいから、使った感じを教えてほしい」
すると、母の表情が少し変わり、今では「今日はこれが良かった」「これはちょっと違う」と、前向きに話してくれるようになりました。
OMUKEN(オム研)は、尊厳を守るための記録
こうして始まった、私のおむつ研究。
いつの間にか、「どれが一番いいか」だけでなく、「どうすれば気持ちよく過ごせるか」を考える時間になっていました。






