在宅介護を続けていると、ある日ふと「これ以上は無理かもしれない」と感じる瞬間があります。
特に、排泄と入浴の介助は、体力・時間・気力のすべてを消耗しやすく、「誰にも相談できないまま抱え込みやすい介護」でもあります。
私は、要介護4の母と5年以上自宅で暮らしながら、トイレ介助 → ポータブルトイレ → おむつ介助へと排泄ケアの段階が変わっていく現実を経験してきました。
この記事では、
- 排泄・入浴介助が どんな段階で変わっていくのか
- それぞれの段階で 何を準備し、何を手放すと楽になるのか
- 実際に助けられた 便利ツールや制度
- 限界を感じる前に 相談してよかった窓口
を、実体験ベースでまとめた総合ガイドとして整理しています。
今まさに困っている方にも、「まだ大丈夫だけど不安」という方にも、あとから振り返れる“安心の地図”になるページを目指しました。
排泄・入浴介助は「一気に大変になる」わけではない
排泄や入浴の介助は、
介護の中でも、少しずつ形が変わっていくケースが多いです。
私の場合も、
- トイレまで歩けていた時期
- トイレ移動が難しくなり、ポータブルトイレを使った時期
- 排泄コントロールが難しくなり、おむつ中心になった時期
というように、段階的に変化していきました。
まずは、この3つの段階を知っておくだけでも、「今どこにいるのか」「次に何を考えればいいのか」が見えやすくなります。
① トイレ介助(歩行・車椅子で移動できていた時期)
この時期の特徴
- トイレまで移動できる(歩行・車椅子)
- 排泄はトイレでできるが、見守りや一部介助が必要
- 転倒・立ち座りが最大のリスク
無理をしないために意識したこと
- 「自分でできる」より「安全にできる」
- 夜間の付き添いを1人で抱え込まない
- トイレの動線を最優先で整える
この段階で役立った工夫・ツール

トイレ用置き型手すりの設置

トイレ内 手すり

センサーマット

持ち上げ型歩行器

トイレまでの移動がつらくなってきたとき、「ポータブルトイレに切り替えるタイミング」は、とても迷うポイントです。私自身が実際に悩み、選び、助けられた体験をまとめています。
👉 夜間のトイレ介助をラクにする5つの工夫|在宅介護5年の体験から分かった負担軽減のコツ
② ポータブルトイレ介助(移動が難しくなってきた時期)
この時期の特徴
- トイレまでの移動が負担になる
- 夜間や体調不良時の失敗が増える
- 介護者の身体的負担、睡眠不足が始まりやすい
ポータブルトイレを使って感じた現実
正直に言うと、
「ここまで来たか」と感じた時期でもありました。
でも結果的には、
- 転倒リスクが減った
- 夜間対応が格段に楽になった
- 母も安心して排泄できるようになった
というメリットの方が大きかったです。
この段階で役立った工夫・ツール

ポータブルトイレ

置き型手すり

センサーマット
この段階で考えてよかったこと
- 置き場所(動線・におい・プライバシー)
- 処理の手順を自分が楽な形に固定する
- 介護保険で使える福祉用具の確認
トイレまでの移動がつらくなってきたとき、「ポータブルトイレに切り替えるタイミング」は、とても迷うポイントです。私自身が実際に悩み、選び、助けられた体験をまとめています。
👉 夜間トイレの不安を減らすために|母に選んだシャワー付きポータブルトイレ体験記
③ おむつ介助(排泄コントロールが難しくなった時期)
この時期の特徴
- 失禁が増える
- 本人の羞恥心・介護者の精神的負担が大きい
- 介助手順を間違えると腰・腕を痛めやすい
おむつ介助の基本的な流れ(自宅介護の場合)
① 準備
- 新しいおむつ・手袋・清拭用品
- 交換後すぐ動かなくていい環境づくり
② 体位変換
- 腰をひねらない
- 「持ち上げない介助」を意識
③ 清拭
- 完璧を目指さない
- 肌トラブルを防ぐことを優先
④ 新しいおむつの装着
- サイズと当て方で漏れ方が変わる
- 夜用・昼用の使い分け
おむつ介助は、やり方次第で体への負担や気持ちのしんどさが大きく変わります。私が「これなら続けられる」と感じた工夫だけを、体験ベースで整理しました。ベースで整理しました。
👉 おむつ交換をラクにする介護の工夫|私が続けられた3つの方法
入浴介助がつらくなったときの考え方
「毎日入れなきゃ」という思い込みを手放す
- 清潔=入浴ではない
- 清拭・部分浴・訪問入浴も立派な選択肢
入浴介助で限界を感じたサイン
- 介護後に立ち上がれないほど疲れる
- 転倒の不安が常にある
- 入浴日が近づくと憂うつになる
自宅入浴が危険と感じたら取り入れたい入浴補助用品
高齢になり、入浴動作(体を洗う、浴槽をまたぐ、座る、立ち上がるなど)が困難になってきたら、転倒や入浴中の事故を防ぐためと、介助者の負担軽減に入浴補助用品の使用をお勧めします。
私は母の入浴介助で一緒に入浴した際に母が立てなくなり、湯船から出られなくなった経験があり、このままでは事故につながると思った今思い出しても冷や汗が出る思いをし、入浴補助用具を導入しました。
導入してからは安心して母と入浴できるようになり大変助かりました
どんな人が対象?
- 筋力やバランス能力が低下している高齢者
- 膝や腰に疾患があり、足腰が不安定な方
- 骨折や片麻痺などで体の動きが制限される方
- 転倒への不安が強い方
入浴介助に「怖さ」や「限界」を感じ始めたら、無理に続ける前に、環境や道具を変えるという選択肢もあります。実際に使って助けられた入浴補助用品を紹介しています。
👉 在宅介護の入浴が不安になったら|転倒を防ぐ入浴補助用品を体験から紹介
排泄・入浴ケアを助けてくれた便利ツールと制度
便利ツール
- センサーマット
- 手すり(移動できるもの)
- 防水シーツ
- 使い捨て清拭用品
介護保険で使える支援
- ポータブルトイレ・手すりのレンタル
- 住宅改修
- 特定福祉用具販売
- おむつ補助制度(自治体)
限界を感じる前に相談してよかった窓口
ケアマネジャー
- ケアプランの見直し
- 福祉用具の選定
- 「今の介護が限界かどうか」を一緒に考えてもらえる
地域包括支援センター
- 無料で相談できる
- 家族側の悩みも聞いてもらえる
- 制度の全体像を教えてくれる
まとめ|排泄・入浴介助は「頑張り続けるもの」ではない
排泄や入浴の介助は、我慢や根性で続けるものではありません。
段階に合わせて形を変え、便利なものは使い、人の手も借りていい。
それは「手を抜くこと」ではなく、介護を続けるための選択だと、私は感じています。
このページが、「今つらい人」にとっての休憩所に、「これから不安な人」にとっての道しるべになれば嬉しいです
👉 介護用おむつ研究と体験レビュー|快適さ・肌トラブル・選び方の気づき
よくある質問(在宅介護の排泄・入浴ケアFAQ)
Q1. 排泄や入浴の介助がつらいと感じるのは、甘えでしょうか?
A.いいえ、決して甘えではありません。
排泄や入浴の介助は、在宅介護の中でも特に体力と気力を消耗しやすいケアです。
「つらい」と感じるのは、きちんと向き合ってきた証拠でもあります。
限界を感じる前に負担を軽くする工夫を考えることは、介護を投げ出すことではなく、続けるための選択だと思います。
Q2. トイレ介助からポータブルトイレに切り替えるタイミングが分かりません。
A.多くの方が一番悩むポイントだと思います。
「まだ歩ける」「もう少し頑張れそう」と感じていても、
転倒の不安や夜間の介助が大きな負担になってきたら、切り替えを考えていいサインです。
“できるかどうか”よりも、“安全に続けられるか”を基準にすると、判断しやすくなります。
Q3. おむつ介助に抵抗があります。できるだけ使わない方がいいのでしょうか?
A.抵抗を感じるのは自然なことです。
ただ、おむつは「最後の手段」ではなく、負担を減らすための道具の一つです。
夜だけ使う、体調が悪い日だけ使うなど、部分的に取り入れることで、介護も本人の生活も安定する場合があります。
無理に避け続けるより、使い方を工夫するという考え方もあります。
Q4. 入浴介助が怖くなってきました。毎日入れなくても大丈夫でしょうか?
A.はい、大丈夫です。
清潔を保つ方法は入浴だけではありません。
清拭や部分浴、訪問入浴なども立派な選択肢です。
介護者が「怖い」「危ない」と感じる状態は、事故のリスクが高いサインでもあります。
安全を最優先に、方法を見直すことはとても大切です。
Q5. 排泄や入浴の介助を人に頼ることに、罪悪感があります。
A.その気持ちを抱く方はとても多いです。
でも、人の手や制度を使うことは「手を抜くこと」ではありません。
介護は一人で抱え込むほど、長く続けるのが難しくなります。
頼ることは、介護を続けるための力の使い方を変えることだと感じています。
Q6. どこに相談すればいいのか分からず、動けずにいます。
A.迷ったときは、まずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。
「まだ決めていない」「限界か分からない」という状態でも大丈夫です。
今の状況を整理し、一緒に選択肢を考えてもらえる場所です。
一人で答えを出そうとしなくて大丈夫です。
下記から全国の地域包括支援センターが検索できます。
全国の地域包括支援センター(外部リンク:厚生労働省)


