おむつ交換で失敗しないために|要介護4の在宅介護で学んだ「漏れない」パッドの当て方と便処理

在宅介護でベッド上のおむつ交換を行う様子と、パッドと洗浄ボトルのイラスト

在宅介護のおむつ交換や排泄サポートは、毎日のこと。
少しでも効率よく、少しでも快適にできないかと、今でも試行錯誤しています。

慣れてくるほど「いつものやり方」で済ませてしまいがちですが、
ほんの少しの当て方の違いが、漏れやムレ、肌トラブルにつながることもあります。

ここでは、在宅介護でよくあるおむつ交換のNG行為と、
無理なく続けられる改善ポイントを、実体験をもとに整理していきます。

目次

おむつ交換の前に準備しておくもの

慌てずに交換するために、先に準備しておくと安心です。

基本の準備物品

  • 新しいおむつ・パッド
  • ゴミ袋・ペットシート(新聞紙でもOK)・防水シート
  • ティッシュ・トイレットペーパー
  • お尻拭き
  • 手袋

陰部洗浄に使うもの

  • お湯
  • 石鹸(少量でOK)泡タイプが使いやすいです
  • タオル(乾拭き用)

おむつ交換する環境を整えましょう

おむつ交換をするときは、まず環境を整えることがとても大切だと感じています。
慌てずに交換できる環境があるだけで、介護される側の気持ちも落ち着きますし、介護する側の負担もぐっと軽くなります。

プライバシーに配慮できることも、大きなポイントです。

例えば、次のような点を意識しています。

  • 部屋が寒すぎたり暗すぎたりしないよう、温度や照明を調整する
  • カーテンやパーテーションで、周囲から見えない空間をつくる
  • おむつや拭き取り用の物品は、立ち上がらなくても手が届く場所に置く
  • 交換しやすい高さになるよう、ベッドや布団の位置を確認する

また、ベッドや布団の下に防水シートやペットシートを一枚敷いておくだけでも、気持ちの余裕が全く違います。

万が一の漏れがあっても後片付けが楽になり、「失敗したらどうしよう」という不安が減ります。
交換を始める前には、手袋や介護用エプロンをつけて準備を整えます。

こうした小さな準備の積み重ねが、おむつ交換を「大変な作業」ではなく、少しでも落ち着いて向き合える時間にしてくれるように思います。

排泄ケアとしてのおむつ交換の基本手順

声をかけて膝を立ててもらいオムツを外します
我が家の場合は
「さっぱりするからオムツ変えよう。」
このフレーズが一番いいかんじです。

汚れたオムツを外す」

おむつのテープを外したら、身体を少し横向きにしましょう。腰を浮かせて要介護者の足先の方向におむつを少しずらします。

このとき、おむつの汚れた部分が広がらないようにゆっくり行い、おむつを全部外さないことがポイントです。おむつを少しずらした後、排泄物がある場合はおしりふきで拭き取りましょう。

ずらしたおむつの汚れた部分を内側に折ってくるくると巻き込んで、便が要介護者や介助者の身体に付着しないように注意しながら膝と肩を持って向きを変えて、汚れたオムツを背中側に。

丸めたおむつはゴミ袋に。水分を含んだおしりふきは皮ふを傷つけにくいです。拭く際は、男性の場合は便が陰茎に付着しないように、女性の場合は前から後ろに向かって拭き取ることで、感染予防につながります。

排泄物があれば拭き取りましょう。

石けん・陰部洗浄用ボトルで陰部を清潔にする

おむつ交換のときに、陰部を清潔に保つことはとても大切です。

特に寝たきりの高齢者の場合、皮ふが薄く敏感になっているため、汚れはきちんと落としつつ、刺激を与えすぎないことを意識しています。

洗浄するときは、ボトルのお湯を直接陰部に勢いよくかけるのは避けるようにしています。ガーゼや柔らかいタオルに、水や石けんを含ませて、押さえるように、そっと拭くのが基本です。

お湯を使う場合も、指に沿わせて静かに流すと、刺激が少なく安心です。
陰部はとてもデリケートな部分なので、こすらず、力を入れすぎないことが何より大切です。

尿や便の汚れが残りやすい、しわや皮ふが重なっている部分は、特に丁寧に確認しながら洗います。
洗い終わったあとは、濡れたままにしないことも重要なポイントです。

やわらかいタオルで水分をしっかり拭き取り、必要に応じて少し時間を置いて乾かします。
湿った状態が続くと、褥瘡(じょくそう・床ずれ)や皮ふ炎の原因になることがあります。

「急がなくて大丈夫」「きれいにしようとしすぎなくていい」

そう自分に言い聞かせながら、その人の皮ふを守るつもりで向き合うことが、結果的にトラブルを防いでくれると感じています。

介護でのお尻洗いは、順番と力加減を意識するだけで、ぐっとやりやすくなります。
新しいオムツの上にペットシートを敷いておきます。

まずは、前から後ろへの向きを守りながら、汚れをやさしく拭き取ります。

これは、清潔を保つためだけでなく、感染予防の意味でも大切なポイントです。

そのあと、石けん(泡タイプだと扱いやすいです)を使って、円を描くようにそっと洗います。

ゴシゴシこすらず、「なでるように」を意識しています。

肛門まわりは特に皮ふが弱いので、洗いすぎないことも大切にしています。

洗浄が終わったら、ボトルに入れた人肌くらいのお湯でしっかり洗い流すようにします。

石けん成分が残らないよう、指に沿わせて静かに流すと安心です。

水分を拭き取るときは、清潔なタオルで押さえるように、叩くように

こすらず、皮ふを守るつもりで行います。

お尻洗いは、どうしても緊張しがちなケアですが、「急がない」「やりすぎない」「皮ふを守る」この3つを意識するだけで、介護する側もされる側も、少し楽になるように感じています。

便処理・陰部洗浄でやってしまいがちなNG行為

軟便の日は、当て方だけでなく、「拭く→洗う」の順番で負担が大きく変わります。

便が広がってしまい、毎回のおむつ交換が大変に感じている方へ、在宅介護の体験からまとめた手順とコツを、別の記事で詳しく紹介しています。

▶ 要介護4の母を5年介護してわかった“便を広げない手順”と洗浄のコツ

汚れが気になると、つい急いでしまいますよね。
でも、順番を守ることで、負担がぐっと減ります。

お尻を洗うときの注意点

ギャザーを太ももまで入れて水漏れ防止

  • 側臥位(横向き)で洗う
  • ペットシートか使用済みのオムツ(汚れが少ない場合)が太ももまで入っているか確認する

これだけで、シーツや衣類が濡れにくくなります。

軟便の日は、ここで紹介したNG行為が特に起こりやすくなります。
便を広げないための具体的な手順や、洗浄のコツについては、

在宅介護の難所「軟便のおむつ交換」を楽にする方法

で、実体験をもとに詳しくまとめています。

陰部洗浄のまとめ

  1. 乾いたティッシュかトイレットペーパーで便をできるだけ拭き取る
  2. 少量の石鹸を泡立ててやさしく洗う
  3. お湯で流す
  4. タオルで水分をしっかり拭き取る

水分を残さないことで、ムレや皮膚トラブルの予防にもつながります。

新しいおむつをつける

パッド・おむつの当て方でよくあるNG行為

「きちんと当てたつもり」でも、

実はおむつ交換の際に、漏れる原因を作ってしまっていることが少なくありません。
漏れやすい状態にしないためには、尿漏れ対策として、パッドの位置を確認することがとても大切です。

特に、ずれたまま装着してしまうと、横漏れやムレの原因になりやすくなります。

NG 便が付いたままいきなりお湯をかける

  • お湯をたくさん使うことになり、処理が大変になります
  • まずは乾いた紙でやさしく拭き取ります

おむつ交換で失敗しやすい原因は、実は「当て方」よりも「最初の便処理」にあることが多いです。

NG おむつやパッドをしっかり広げていない

  • 吸収体が偏りやすく、横漏れの原因になります
  • ギャザーまで丁寧に広げることが大切です

少し時間がかかっても、最初に整えてあげるだけで、その後の安心感が変わります。

NG③ ギャザーが立っておらずパッドが外に出ている

  • パッドが外に出ると、横から漏れやすくなります
  • ギャザーの内側にパッドが収まっているか確認しましょう

「ギャザーが立っているか」を見るだけで、失敗が減ります。

NG④ 偏ったおむつを無理に引っ張って直す

  • 無理に引っ張ると、破れや吸収体漏れの原因になります
  • 体位変換を使って、自然に真ん中へ戻す方法が安心です

引っ張らず、体を少し動かして整える。それだけでずっと安全になります。

NG 開いたままの状態でそのままパットを当てる

開いたまま上に被せるように当てると、陰部に密着せず、漏れやすくなります。
パッドは折り目をつけてから当てるのがポイントです。

少し折ってからパッドやおむつを当てるだけで、フィット感が変わり、陰部に密着しやすくなります。

男女別・正しいパッドの当て方

男性の場合と女性の場合

男性の場合山折り

  • 山折りにしてギャザーを立てる
  • 包むように当てるイメージで大丈夫です。
  • おむつの形に沿わせて整える

女性の場合谷折り

  • 谷折りにして陰部にそっと当てていく
    密着させるイメージです。
  • おむつの形に沿わせて整える

体の形に合わせた当て方をすると、漏れにくさがぐっと上がります。

おむつのギャザーをしっかり立てて、パットも中にちゃんとおさまっているか確認して、鼠径部に沿わせて腹部に密着するように調整します。

おむつの中心を身体の中心に合わせて左右のテープを留めましょう。

下のテープを上方向に、上のテープを下方向にクロスするようにすると、ずれにくいです。
おむつのテープは、引っ張りすぎないようにして下さい。

おむつ交換が済んだら装着後のフィット感を確認し
衣服の着替えをして終了!

オムツ交換のまとめ

  • ギャザーを立てる
  • 体に合った折り方で当てる
  • 便処理は「拭く→洗う」の順番
  • 最後はしっかり乾かす


洗い流す時に、多くのお湯を使わないで済むように
汚れを前もって拭き取っておきましょう。

おむつを処理する

おむつ交換が終わったら、使用済みのおむつを丁寧に処理します。
匂いが気になる際は消臭袋をお勧めします。
汚れたおむつは、使った手袋やおしり拭き、トイレットペーパーなどと一緒にまとめて、ゴミ袋に入れます。

使用済みおむつの捨て方は、地域ごとにルールが異なる場合があります。
多くの地域では可燃ごみとして扱われていますが、自治体の指示がある場合は、それに従いましょう。

ベッドまわりの清掃も忘れずに行います。
尿や便がわずかに残っているだけでも、においや感染症の原因になることがあります。

私は消毒用のウェットティッシュで、汚れた部分を拭き取ってます。
すべて終わったら、石けんでしっかり手洗い終了です。

まとめ|「少し丁寧に」が介護を楽にする

排泄ケアは、ある日突然「おむつだけ」になるわけではなく、
トイレ介助から少しずつ形を変えながら、負担が増えていくことが多いと感じています。

おむつ交換は、やり方を整えることに目が向きがちですが、
実際には「どうすれば無理なく続けられるか」という視点も、
同じくらい大切だと感じています。

私自身が、負担を減らしながら続けてこられた工夫については、
こちらの記事でまとめています。

  ▶ おむつ交換をラクにする介護の工夫|私が続けられた3つの方法

排泄トラブルは、当て方や手順だけでなく、
便の状態や体内の水分量にも大きく影響されます。
特に高齢者は、冬場に水分摂取量が減りやすく、
便秘や排便リズムの乱れから、おむつ交換が大変になることもあります。

 ▶ 冬の高齢者におすすめの水分補給法|便秘・脱水を防ぐ在宅介護の温かい飲み物の工夫

在宅介護で排泄・入浴のケアがどのように段階的に変わっていくのかは、
別ページで実体験をもとに整理しています。

 ▶ 在宅介護の排泄・入浴がつらくなったら|90代介護の段階別実体験ガイド

介護をする側の健康を守ることも、長く介護を続けるためにはとても大切です。
おむつ交換は、ただの作業ではないと受け止めています。
清潔を保ち、安心して過ごせる環境を整えることは、介護される母の快適さだけでなく、
私自身を守るケアでもあると感じています。

おむつ交換を含めた排泄ケアは、手順や当て方だけでなく、生活全体をどう組み立て直すかと一緒に考えることで、ぐっと続けやすくなりました。

要介護4の在宅介護で、排泄・移動・睡眠をどう組み立て直したかについては、
こちらの記事で実体験をまとめています。

 ▶ 日常生活動作を見直して“介護が回る生活”をつくった実体験

毎日のことなので、うまくいかない日もあります。
毎回完璧にできなくても、「今日はここだけ気をつけてみよう」と思えるポイントがひとつあれば、それで十分です。

毎日のことなので、うまくいかない日もあります。

毎回完璧にできなくても、「今日はここだけ気をつけてみよう」と思えるポイントが

ひとつあれば、それで十分です。

ほんのひと手間が、介護される人の快適さと、
介護する人の安心の両方を届けてくれる。
私は、そう感じながら続けてきました。

皆さまの今日のおむつ交換が、少しでも楽になりますように。

よくある質問(おむつ交換で失敗しないためのFAQ)

Q1. おむつ交換は、毎回ここまで丁寧にやらないといけませんか?

A. 毎回完璧である必要はありません。

在宅介護のおむつ交換は、長く続く日常のケアです。
すべてを完璧にやろうとすると、介護する側の負担が大きくなってしまいます。

大切なのは、

  • 漏れや肌トラブルが続いていないか
  • 本人が不快そうにしていないか
  • 介護者が無理をしすぎていないか

この3点を目安に、「今のやり方が合っているか」を時々見直すことです。

Q2. パッドを正しく当てているつもりでも、漏れてしまいます。

A. 当て方だけでなく、体位や位置ズレが原因のことも多いです。

漏れの原因は、必ずしもパッドの種類だけではありません。

  • パッドの中心がズレている
  • 体位(仰向け・横向き)に合っていない
  • 動いたときに隙間ができている

一度、横向きにして確認・当て直すだけでも、漏れが減るケースは多いです。
「毎回同じ当て方」に固執せず、状態に合わせて調整してみてください。

Q3. 陰部洗浄は毎回石けんを使ったほうがいいですか?

A. 毎回でなくても大丈夫です。

石けんを使いすぎると、かえって皮ふの乾燥や刺激につながることがあります。

目安としては、

  • 尿のみ → お湯やウェットシート中心
  • 便汚れがある → 石けん(泡タイプ)をやさしく使用

肛門まわりは特に洗いすぎに注意し、洗ったあとはしっかり乾かすことを意識しています。

Q4. おむつ交換中、本人が恥ずかしそうにしています。どう配慮すればいいですか?

A. 声かけと環境づくりで、気持ちはかなり変わります。

  • カーテンやタオルで視線を遮る
  • 「今からおむつ替えるね」と一言声をかける
  • 必要以上に長引かせない

それだけでも、本人の不安や恥ずかしさは軽減されます。
在宅介護では、プライバシーへの配慮も大切なケアの一部だと思っています。

Q5. おむつ交換のたびに疲れてしまいます。コツはありますか?

A. 「毎回同じ手順」にしすぎないことも大切です。

疲れの原因は、

  • 無理な体勢
  • 物品が手元にそろっていない
  • 焦りながら交換している

といったことが重なっている場合が多いです。
事前に準備を整え、「今日は簡単に」「今日は丁寧に」と力の入れどころを調整することも、長く続けるコツです。

どうしてもつらい場合は、ヘルパーさんの導入をケアマネージャーさんに相談するのも一つの方法です。

Q6. 使用済みおむつの処理で気をつけることはありますか?

A. 衛生面と地域ルールの確認が大切です。

  • 汚れたおむつはすぐに密閉できる袋へ
  • ベッド周囲も軽く拭き取り
  • 最後に必ず手洗い

ゴミの分別方法は自治体ごとに異なるため、地域のルールを一度確認しておくと安心です。

Q7. おむつ交換が「作業」になってしまい、気持ちがつらいです。

A. そう感じるのは、とても自然なことです。

毎日続くケアだからこそ、「うまくやらなきゃ」「失敗できない」と思いすぎると、心が疲れてしまいます。
おむつ交換は、介護される人だけでなく、介護する人の健康を守るケアでもあります。

少し手を抜く日があっても大丈夫。
続けられる形を探していくことが、いちばん大切です。

在宅介護でベッド上のおむつ交換を行う様子と、パッドと洗浄ボトルのイラスト

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90代の母を在宅介護する筆者

いとう よしみ

90代・要介護4の母を自宅で介護しながら、実体験をもとに
「無理をしない在宅介護の工夫」を記録・発信しています。

介護の現場で本当に役立った
介護保険サービスの使い方、在宅介護に便利なグッズ、
生活を少し楽に整える工夫を、体験ベースでわかりやすくまとめています。

同じ立場の家族介護者が、
「自分だけじゃない」と感じ、
少しでも気持ちを軽くできるような情報を大切にしています。

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