夜中のトイレが、いちばん心配だった
母は夜になると、何度かトイレに起きます。
昼間はまだ安定して歩けていても、夜はどうしても足元がおぼつかず、少しのふらつきが転倒につながりそうで、いつも気が気ではありませんでした。特に暗い時間帯は判断力も落ちやすく、眠気も重なって危険が増します。
一度目の入院をきっかけに、「夜間のトイレをどう安全にするか」は、在宅介護を続けるうえで避けて通れない課題になりました。付き添って起きているのですが、毎晩となると体力的にも厳しくて起きられないこともしばしばありました。
母が一人でも、できるだけ安全にトイレに行ける方法はないか──そう考え始めたのが、ポータブルトイレ導入のきっかけでした。
ポータブルトイレを置くという選択
正直に言うと、最初はポータブルトイレを家に置くことに少し抵抗がありました。
「まだそこまでしなくてもいいのでは」と思う気持ちと、「もし夜中に転んだら」という不安が、ずっと頭の中で揺れていました。
けれど、母の状態を見ていると、夜のトイレこそが一番危険だと感じるようになりました。
何かあってからでは遅い。そう思い、「転倒を防ぐための環境づくり」として、ポータブルトイレを前向きに検討することにしました。
選ぶ際に大切にしたのは、「介護用」ではなく、できるだけ普通のトイレに近いこと。
自分が使う立場だったら何が一番安心かを考え、その視点で商品を探しました。
シャワー付きタイプを選んだ理由
調べていく中で、シャワー機能が付いたポータブルトイレがあることを知りました。
家のトイレと同じように温水で洗えるなら、使う側の負担がかなり減るはずです。
そこで選んだのが、パナソニックの【座楽】シャワポット(ひじ掛け昇降タイプ) でした。
決め手は、「自分だったらこれがいい」と思えたこと。
便座が温かく、シャワーと乾燥、脱臭まで備わっていて、見た目もいかにも介護用品という感じが少ない。
母にとっても、「特別なもの」ではなく、「いつものトイレ」に近い感覚で使えるのではないかと感じました。
ほとんど普通のトイレと変わらない使い心地
実際に使ってみて感じたのは、「これは本当によくできている」ということでした。
洗浄機能は複数あり、やさしく洗えるスパイラル洗浄や、広範囲をカバーするムーブ洗浄、便意を促すリズム洗浄、女性に配慮したビデ洗浄まで備わっています。
便座はしっかり温かく、温風乾燥と脱臭機能もあるため、使用後の不快感がほとんどありません。
自分で上手に拭き取ることが難しい方でも、清潔を保ちやすい設計です。
「冷たくない」「不安が少ない」その小さな積み重ねが、使う本人の安心につながっていると感じています。
操作しやすく、安心できる設計

操作面も、とてもよく考えられています。
リモコンは四角くて見やすく、ボタンもシンプル。便座の横でも操作できるので、状況に合わせて使えます。
水のタンクは後ろに差し込む方式で、重すぎず、交換も難しくありません。
ひじ掛けはボタン一つで高さ調整ができ、立ち上がるときの支えとして大きな安心感があります。
細かい部分ですが、「迷わず使える」「力を入れなくていい」という設計は、高齢者にとってとても重要だと感じました。

お手入れが簡単なのは、介護する側の助け

介護用品は、使う人だけでなく、手入れをする側の負担も大切です。
このポータブルトイレは、その点でもとても助かっています。
排泄物はバケツ部分に溜まり、トイレットペーパーごと自宅のトイレに流せます。
あとはバケツを洗うだけ。特別な作業は必要ありません。
シャワー部分はステンレス製なので、お湯をかけながら軽くこするだけで清潔を保てます。
「手間がかからない」ということが、継続して使える大きな理由になっています。
ポータブルトイレは「終わり」ではなく、
次の段階へ無理なくつなぐための選択肢だと感じています。
排泄・入浴介助がどう変わっていくのかを、
段階別にまとめたページも参考にしてください。
👉 在宅介護の排泄・入浴がつらくなったら|90代介護の段階別実体験ガイド
少し高価でも、選んでよかったと思える理由
価格だけを見ると、決して安い買い物ではありませんでした。
それでも、トイレは一日に何度も使うもの。毎日の安心を考えると、十分に価値があると感じています。
夜中に「転ばないか」と心配する時間が減り、母も私も気持ちが少し楽になりました。
「使う人が安心できる」
それが、介護用品を選ぶうえで一番大切なことなのだと思います。
このポータブルトイレは、我が家にとって「なくてはならない存在」になりました。

