入院中の変化にほっとした瞬間
ようやく退院が決まりました。病院で毎日リハビリに励む母の様子を、ビデオで見せていただき、Zoomで直接話しができたあの瞬間。胸にぽっと小さな安心が灯ったのを覚えています。
来週、母が帰ってくる。ふだんは「またいつもの日常だな」と感じる日でも、今回は違いました。入院が少し長引いたせいか、私自身も「家に慣れた生活リズムへの復帰」にどこか緊張を覚えていて、今週は打ち合わせや親しい友人との時間も意図的に入れて、ちょっと忙しく過ごしていました。
今日は、息子のお店で食事を楽しみ、久しぶりにお孫ちゃんとも遊びました。フェルトでバックを作ったり、キラキラのストーンを貼ったり。「来月はお姉ちゃんになるんだよ!」と笑顔で話すお孫ちゃんに、母も私もどこか柔らかな気持ちになりました。
一方で、クロちゃん(我が家の愛犬プードル)は最近お留守番が続いて少しスネ気味。帰ってきたときの文句めいた声が長くて、それがまた私たち家族のひとときを笑いに変えてくれます。こうした「日常の小さな温かさ」が、母が帰る日を迎える大切な支えになるのでしょう。
高齢になると見えてくる「身体の変化」とは
残尿検査の結果が示すもの
病院で母の様子を見学していたとき、看護師さんから興味深いお話を伺いました。
「高齢になると腹筋の力が弱くなってきて、排尿時に膀胱の中に尿がたくさん残る人が多くいます。そうした状態が長く続くと、尿の流れが滞って感染や膀胱結石、憩室などを引き起こすことがあります。
お母様も現在、残尿の量を検査中です。
この言葉に、あらためて「歳を重ねるということは、ただ年数が増えるだけではない」という実感が胸に広がりました。体の見えない変化が、日常の質を左右することがあることを、私自身も身近に感じた瞬間でした。
在宅での「気付き」が力になる
退院が決まった今、在宅介護が改めて始まるという気持ちとともに、「ちょっとした変化を見逃さない」ことの大事さを強く感じています。
リハビリ中の母の動画で、「あれ?ここが動きづらそうだな」と思ったことをメモしておいたり、一緒に食事をする時間に「最近どう?横になりがちかな?」と軽く声をかけたり――。こうした“小さな関わり”が、後の安心につながります。
退院前に整えておきたい「在宅介護の環境」
居場所を変えてもらう“心構え”を
母が帰ってくる部屋には、以前から使っていた寝具を少し変えておきました。ベッドの位置を窓側にずらし、日当たりの良い場所で過ごせるように。また、夜中のトイレ移動を想定して、廊下に夜間照明を設けたり、滑りにくいマットを敷いたりしました。
初日は、母に「帰ってきたね」と安心してもらえるような“部屋の匂いや音”も意識しました。好きなラベンダーの香りをほんのりと漂わせ、テレビの音量を静かに。日常が戻るということは、体も心もゆるめること。だからこそ、戻る前のひと手間が大きな安心に変わるのです。
介護者である私自身の“準備”も忘れずに
母を支える体制を整えるのはもちろんですが、私自身の「ケアを続ける力」も同じくらい大切です。
退院準備の打ち合わせをしながら、「きっと疲れる日も来る」と自分に言い聞かせました。そして、息子のお店での食事のような“母・孫・私”が一緒になれる時間を今から意識的に作ることにしました。
介護する側が少しでも“ほっとできる瞬間”をもつことが、そのままケアを続けられる支えになるからです。
実際に退院してからの暮らしは、
想像していたものとは少し違っていました。
表情の変化や排泄ケア、生活リズムなど、
退院直後に見えてきた現実については、
▶ 退院直後の在宅介護で見えてきた暮らしの工夫|母の笑顔と排泄ケアのリアル
に詳しく残しています。
まとめ〜在宅介護だからこそ“日常”が暮らしの質を支える〜
母の退院決定を機に、改めて感じるのは「特別じゃない日常こそが、一番の安心の時間」だということです。
庭先での花の香り、笑顔でフェルトバックを作るお孫ちゃんの姿、クロちゃんの長い愚図声――。そうした“何気ないひととき”が、在宅介護の日々に確かな温もりを与えてくれています。
在宅介護は、変化という波がゆっくりと訪れる暮らしです。だからこそ、目立たない変化を大切に見守ることが“暮らしの質”を守ることにな気がしています。
そして何より、介護をする者が「ほっとできる時間」や「心が和む空間」をつくることが、支えられる側にとっても大きな支えになると感じます。
母が帰ってくるその日を、家族みんなで「少し心が軽くなれる日」にできたらいいなと思っています。
在宅介護は、特別な出来事よりも、
日常の中で積み重なっていく「小さな気づき」が支えになると感じています。
介護を始めたばかりの頃の私も、
同じように不安を抱えながら毎日を過ごしていました。
その記録を、残しています。よろしかったら呼んできてください。

