母の介護の中で知った、弟が施設に入るという選択|家族の歴史と穏やかな老い

母と母の弟が一緒に写る、姉弟の穏やかな関係を感じる写真
目次

退院後、少しずつ戻ってきた会話の時間

母が退院してから、ぼんやりした様子はずいぶん改善され、会話ができる日々が続いています。

庭を眺めながら、「随分雑草が伸びたわね。そろそろ草むしりを頼んだほうがいいわね」

そんな何気ない一言が出てくるだけで、私は少し安心します。
毎日いろいろな話をすることが、母の言葉を増やしているようにも感じています。
年齢相応の物忘れはありますが、それも含めて「今の母」なのだと思えるようになりました。

母の弟が施設に入るという知らせ

そんな中、叔母から連絡がありました。
母の弟――私にとって叔父にあたる人が、施設に入所することになったという知らせです。

叔父は87歳。
自分で立ち上がることが難しくなり、認知症も進行してきたため、担当医から施設入所を勧められたそうです。
すでに2年ほど前から、娘さんの顔も分からなくなっていたと聞きました。

介護の大変さは、私自身も身をもって感じています。
「悩んだけれど、仕方なかったのよね」
叔母のその言葉に、私はただうなずくしかありませんでした。

穏やかな姉弟に救われてきた家族

母の姉弟は、みんな本当に穏やかな性格です。
明るく、どこか呑気で、怒鳴ったり不満をぶつけたりすることがほとんどありません。

介護をしていても、
「ありがとう」
「悪いわね」

その言葉が自然に出てくる人たちです。
叔母も、「叔父もまったく同じなのよ」と話していました。
家族としては、本当に救われてきた性格だと思います。

動乱の時代を生き抜いた姉弟の歴史

母の姉弟は、三人とも台湾生まれです。
祖父が日本から台湾へ渡り、鉄道インフラの建設に関わり、台湾総督府に勤めていたためでした。

祖母は台湾で亡くなり、母の姉も若くして亡くなりました。
最終引揚船で日本に戻ったとき、

母は13歳、弟たちは9歳と5歳。
激動の時代を生き抜いてきた姉弟です。

叔父が施設に入ったことを母に話すと、
「そういう状態なら仕方ないわね」と、身体を案じていました。

親の老いや介護の形について考える中で、
「在宅で向き合うのか」
「施設にお願いするのか」
迷う場面は誰にでも訪れます。
私自身が、選択に迷ったときの考え方を整理した記事はこちらにまとめています。
 ▶ 介護の道標|親の老いと向き合い、選択に迷ったときに考えたいこと

二年前に亡くなったもう一人の弟のことは、亡くなったという事実自体を、母はもう覚えていません。
15年前に撮った一枚の写真が、姉弟三人で写った最後の写真になりました。

時代は変わり、私はAIの世界へ

そんなことを思いながら、今月は話題のAIツールを触り続けています。ChatGPTをはじめ、さまざまなAIに触れて、その進化に正直驚いています。

これは一時的な流行ではなく、確実に「時代が変わった」のだと感じます。60代を超えた私でも使える。
好奇心が刺激されて、眠れない日が続きそうです(笑)

今日の終わりは、いつもの日常

今日は母と一緒にドラマを観ながら、あれこれ話をして過ごしました。
夜はまた「餃子が食べたい」と言うので、タネを仕込み、せっせと包みます。

今日の夕食も、また餃子(笑)
お腹いっぱいになった母は、「眠くなっちゃったわ」と言って、先に休みました。

さあ、私はこれからまた少しAIの世界へ。
こうして、介護のある日常は今日も静かに続いています。

介護の中で、少し気持ちが軽くなった瞬間については、
👉 介護中に感じた喜びと学び|今日の小さな発見
にまとめています。

よくある質問(FAQ)|施設に入れるか、自宅で介護するか迷ったとき

Q1. 親を施設に入れるか、自宅で介護するかはどうやって決めればいいですか?

A.どちらが「正しい」かではなく、今の親の状態・家族の体力や生活・支援体制を含めて考えることが大切だと思います。自宅介護は、慣れた環境で過ごせる安心感がありますが、介護する側の負担が大きくなりやすいです。
一方、施設介護は専門的なケアを受けられる反面、本人や家族の気持ちが追いつかないこともあります。
大切なのは「今の状況で、無理なく続けられるか」を基準に考えることだと、私は感じています。

Q2. 施設に入れるのは、家族として冷たい選択なのでしょうか?

A.いいえ、決して冷たい選択ではないと思います。
自宅で介護が難しくなったときに、安全や安心を優先するために施設を選ぶことも、大切な判断です。
実際、医師や専門職から施設入所を勧められるケースも多く、それは家族が限界の場合や、本人の状態に合ったケアを受けるための場合もあります。
施設を選ぶことは、「手放す」ではなく「支え方を変える介護の選択」ではないでしょうか。

Q3. 自宅介護を続けるか迷ったとき、何を基準に考えればいいですか?

A.自宅介護を続けるかどうか迷ったときは、次の3つを一度整理してみると考えやすくなります。

  • 介護する人の体力・気力は保てているか
  • 家族以外に頼れる支援(デイサービス・訪問介護など)があるか
  • 本人の安全や生活の質が守れているか

「まだ介護者が頑張れるか」ではなく、「この状態を半年・1年続けられるか」という視点で、感情だけでなく生活全体を基準に考えることが大切だと思います。

Q4. 認知症が進んできた場合、施設入所を考えるタイミングはいつですか?

A.認知症の進行には個人差がありますが、次のような変化が見られたときは、施設入所を検討する一つの目安になると言われています。

  • 自分で立てない・転倒の危険が増えた
  • 昼夜逆転や徘徊など、安全面の不安が強くなった
  • 家族の見守りだけでは対応が難しくなった

「限界まで頑張る」よりも、事故が起きる前に選択肢を考えることが、結果的に安心につながります。

Q5. 在宅介護と施設介護、どちらを選んでも後悔しないために大切なことは?

A.どちらを選んでも、「これでよかったのだろうか」と迷う瞬間はあると思います。
だからこそ大切なのは、自分なりに考え、納得して選んだかどうかです。
私は、今の母の気持ちと、自分の気持ちを尊重して自宅介護を続けていますが、私が病気になったり、怪我をしたりしたら一気に状況が変わります。
正解は一つではないということです。その時々の状況に合わせて、選択を見直してもいい。
介護は一度決めたら終わりではなく、状況に応じて形を変えていくものだと、私は感じています。


母と母の弟が一緒に写る、姉弟の穏やかな関係を感じる写真

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90代の母を在宅介護する筆者

いとう よしみ

90代・要介護4の母を自宅で介護しながら、実体験をもとに
「無理をしない在宅介護の工夫」を記録・発信しています。

介護の現場で本当に役立った
介護保険サービスの使い方、在宅介護に便利なグッズ、
生活を少し楽に整える工夫を、体験ベースでわかりやすくまとめています。

同じ立場の家族介護者が、
「自分だけじゃない」と感じ、
少しでも気持ちを軽くできるような情報を大切にしています。

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