母とゆっくり過ごせた週末
土日は、母とリビングで並んでドラマを観ながら、穏やかで優しい時間を過ごしました。母が退院してからしばらくは、まだ体力も戻らず不安定な日もありましたが、この週末は表情も明るく、言葉もしっかりしてきたように感じます。入院中に毎日続けていたリハビリの効果なのか、車椅子からリビングの椅子に移るときの立ち上がりが、以前よりもスムーズになり、見ていても「戻ってきたな」と実感できました。また、おむつかぶれもすっかり良くなり、母の生活の質も目に見えて上がっています。こうした小さな前進が、介護する側の気持ちをそっと支えてくれるのだなと改めて感じた週末でした。
母の体の変化|立ち上がり・会話に見られた改善
手すりを使って、しっかり立てるように
母はまだ自立歩行は難しい状態ですが、手すりをつかめばしっかり立ち上がることができるようになりました。トイレ動作も徐々に安定し、安心して座って用を足すことができています。日常の基本動作がスムーズになるだけで、母自身の表情にも自信が見え始め、こちらも嬉しさがこみ上げてきます。
ぼんやり感が減り、会話が自然に戻ってきた
以前は返答がゆっくりで、話しかけても反応に時間がかかる日がありました。しかし最近は、会話のテンポも戻り、こちらの問いかけにすぐ返事が返ってくることが増えました。表情もはっきりして、笑顔も自然に出てくるようになり、母の中で何かが少しずつ回復していることを感じます。言葉を交わせるというのは、介護する側にとっても大きな励みになりますね。
春の庭づくり|母が“植えたい”と言ったひと言
ドラマを見ていた母が、ふと窓の外の庭を眺めて「春だし、何か植えたいわね」と言いました。そのひと言が、私にはとても嬉しいものでした。入院中は外を見る余裕もなかった母が、庭の緑を見て「育てたい」「楽しみたい」と思えるまで気持ちが戻ってきたのだと思うと、その変化に胸がじんわり温かくなります。
母は昔から植物を育てるのが好きで、特にハーブや小さな野菜を育てると、毎朝の水やりを楽しみにしていた人です。そこで、母の好きだったハーブの苗や、ベランダでも育てられる野菜の苗を数種類買ってきて、少しずつ春の庭づくりを再開することにしました。「育つのが楽しみね」と母が笑顔で言った瞬間、またひとつ春が近づいたような気がしました。
家族で餃子パーティー|笑顔があふれた食卓
今日は、お嫁ちゃんの提案で、家族みんなで餃子パーティーを開くことに。仕事帰りにたくさんの材料を買ってきてくれただけでなく、「フライパン足りないでしょ」とフライパンまで持ってきてくれるという気合の入りよう。
こうした家族の協力が本当にありがたく、何気ない日常の中にある“助け合いの温かさ”を感じました。みんなでニラとキャベツを刻み、ひき肉を混ぜて味付けしていると、次第に笑い声が広がり、準備段階からすでにパーティーのよう。皮で包む作業でもそれぞれの個性が出て、シンプル餃子やしそ餃子、余った皮で作ったチーズ揚げ餃子まで登場して、テーブルの上がどんどん華やかになっていきました。
「みんなで食べるとおいしいわね」母のひと言に胸が温かくなる
焼き立ての餃子を囲み、家族でワイワイ話しながら食べる時間は、本当に特別なものでした。母は一口食べるたびに「美味しいね」「みんなで食べると本当に違うわね」とうれしそうに何度も言い、その言葉を聞くたびに、私の胸も温かくなりました。孫が包んだ少しいびつな餃子を「かわいい形ね」と笑いながら食べる母の姿は、以前よりずっと元気そうで、家族に囲まれた安心感が母の力になっていることを実感しました。
“手作り”と“家族の時間”の力は本当に大きいと改めて感じた、幸せな食卓でした。
小さな回復と家族の時間がくれた力
母の体の小さな変化と、家族で過ごした何気ない一日。それは、在宅介護の日々の中で私にとって大きな支えになりました。介護は予想外のことが起こりがちで、思うように進まない日もあります。それでも、今日のように母の笑顔が見られて「楽しかったね」と言える時間があるだけで、また明日からも頑張ろうと思える力が不思議と湧いてくるのです。春に向けて庭づくりを再開し、母が少しでも楽しみを持てるように寄り添いながら、これからもこの積み重ねを大切にしていきたいと思います。

