在宅介護で気をつけたい暖房の使い方|高齢の母と冬を安全に過ごすための実体験

高齢者の冬の在宅介護で、暖房の使い方や安全管理を見直している様子|低温やけど・乾燥・事故を防ぐ工夫

はじめに|冬の暖房は「安心」と「危うさ」が隣り合わせ

新年が明け、寒さが本格的になる季節がやってきました。
在宅介護をしていると、冬は特に気を遣うことが増えます。

高齢者にとって「寒さ」は体力を奪い、
一方で「暖房の使いすぎ」は、思わぬ事故や体調不良につながることもあります。

私も、90代の母と暮らす中で、「暖かくしてあげたい」という気持ちと
「これで本当に安全だろうか」という不安の間で、何度も立ち止まってきました。

この記事では、母の介護を通して実際に試し、調整し、今も続けている暖房の工夫をまとめています。
特別な方法ではありませんが、同じように在宅介護をしている方の参考になればうれしいです。

冬に高齢者が暖房で注意したい理由

高齢者は年齢とともに体温調節機能が低下し、寒さや暑さを感じにくくなる傾向があります。
そのため「寒くないから大丈夫」「暖かすぎないから安心」と思っていても、実際には体に負担がかかっていることがあります。

冬の暖房は体を守るために欠かせませんが、使い方を間違えると体調不良や事故につながることもあります。
私も在宅介護を続ける中で、暖房器具そのものよりも、温度・配置・使う時間帯がとても重要だと感じるようになりました。

低体温症

室温が低い状態が続くと、高齢者は気づかないうちに体温が下がり、低体温症になることがあります。
低体温になると、免疫力が落ちやすくなり、血圧の変動や体調不良を引き起こす原因にもなります。

特に夜間や早朝は冷え込みやすく、本人が「寒い」と訴えない場合でも注意が必要です。
我が家でも、朝起きたときの手足の冷え具合を確認しながら、室温や寝具を調整するようにしています。

脱水・乾燥

暖房を使うことで室内は乾燥しやすくなります。
高齢者は喉の渇きを感じにくく、知らないうちに水分不足になってしまうことがあります。
脱水状態が続くと、便秘やめまい、感染症のリスクも高まります。

また、乾燥は肌トラブルや咳の原因にもなります。
我が家では加湿器を使い、湿度を意識することで、母の咳や夜間の不快感が減りました。

火傷・火災・事故

ストーブやヒーターは、接触や転倒による事故のリスクがあります。
コードにつまずいたり、衣類が触れたりするだけでも、思わぬ火傷や火災につながることがあります。

特に高齢者は動作がゆっくりになるため、危険を避けきれない場面も出てきます。
私自身、母の部屋を見直す中で、暖房器具の種類よりも、置き場所や周囲の整理の方が大切だと強く感じました。

低温やけどにも注意が必要

冬場に見落としがちなのが「低温やけど」です。
電気毛布や電気マット、ヒーターに長時間触れ続けることで、強い熱でなくても皮膚が傷ついてしまうことがあります。

高齢者は痛みを感じにくいため、赤みや水ぶくれができるまで気づかないこともあります。
我が家では、直接肌に触れない工夫や、使用時間を決めることで、低温やけどを防ぐようにしています。

暖房器具の設置で気をつけていること

まず大切なのは、置き場所と安定性です。

  • 転倒しにくい位置に設置する
  • 周囲に燃えやすいものを置かない
  • 手や足が直接触れにくい距離を保つ

以前は、電気ストーブの周りにガードを付けていましたが、今はエアコンを中心に、必要に応じて補助暖房を使う形に落ち着きました。

コード類は床に這わせず、まとめて固定。正直に言うと、母よりも自分が引っかかりそうだったというのも理由です(笑)。

温度設定は「暖かすぎない」を基準に

暖房は強ければ良いわけではありません。母の部屋では、室温23度前後を目安にしています。

それ以上暑くなると、乾燥やのぼせ、夜間の不調につながることがありました。

寒さを感じるときは、

  • 足元に電気マットを敷く
  • 着るもので調整する
  • ブランケットを併用する

といった形で、体を直接温める工夫をしています。

換気と湿度管理は欠かせないポイント

冬の暖房で見落としがちなのが、空気の乾燥です。

室内が乾燥すると、

  • 喉や肌のトラブル
  • 咳やむせ
  • 感染症のリスク

が高まります。

我が家では、加湿器を使い、湿度は**40〜60%**を目安に管理しています。
寝る前と起床時に湿度を確認するだけでも、夜間の咳や不快感が減り、母の眠りが安定しました。

転倒・接触事故を防ぐための工夫

暖房器具は、生活動線の邪魔にならない配置が重要です。

  • ベッドやトイレへの動線を遮らない
  • 手すりの近くに物を置かない
  • 夜間でも足元が見える明るさを確保する

また、留守にする際は必ず電源を切る。
当たり前のことですが、在宅介護では特に意識しています。

暖房を使う「タイミング」を意識する

一日中暖房をつけっぱなしにするよりも、使う時間帯を意識することで安全性が高まります。

  • 朝晩の冷え込み
  • 夜間のトイレ誘導前後
  • 就寝前の準備時間

寝る前に部屋を暖め、布団に入ったときに冷えないようにするだけでも、
夜間の体温低下を防ぐことができました。

母は寝たきりのため、布団の足元に電気マットを敷き、温度を必ず確認しています。

まとめ|冬の暖房は「気づくこと」から整えていく

高齢者の冬の介護では、暖房の使い方ひとつで、安心感も体調も大きく変わります。

寒さ・乾燥・低温やけど・転倒――
どれも特別なことではなく、日常の中にそっと潜んでいるリスクです。

だからこそ、「完璧に管理しよう」と構える必要はありません。

  • 室温を一度確認してみる
  • 暖房の位置を少し動かしてみる
  • 肌や喉の様子に目を向けてみる

そんな小さな気づきの積み重ねが、冬の事故や体調不良を防ぐことにつながります。
私自身も、母と暮らす中で「これで大丈夫かな?」と迷いながら、
少しずつ暖房の使い方を見直してきました。

正解は一つではありません。
その人の体調や暮らしに合った形を、無理のないペースで整えていければ十分だと思っています。

この冬も、大切な人が安心して過ごせるように。
そして、介護をする側の負担が少しでも軽くなるように。
この記事が、そのための小さなヒントになれば嬉しいです。

冬の介護では、暖房管理だけでなく、体調の変化に気づく視点や日常の事故を防ぐ環境づくりも欠かせません。
おむつ交換や夜間ケアを含めた安全対策については、

おむつ交換をラクにする介護の工夫|私が続けられた3つの方法

在宅介護で失敗しないオムツの選び方|夜も安心のパンツ型比較

もあわせて参考にしてみてください。

目次

冬に高齢者が暖房で注意したいポイント【チェックリスト】

高齢者の冬の暖房には、いくつか見落としやすい注意点があります。
以下を一つずつ確認してみてください。

☑ 低体温症のリスクはありませんか?

  • □ 室温が20℃未満の日が多い
  • □ 朝起きたとき、手足が冷たくなっている
  • □ 本人が「寒い」とあまり言わない
  • □ 夜間や早朝の暖房を切っている時間が長い

高齢者は寒さを感じにくく、気づかないうちに体温が下がることがあります。
低体温は免疫力低下や血圧変動の原因にもなるため、本人の感覚だけに頼らず室温管理をすることが大切です。

☑ 脱水・乾燥が進んでいませんか?

  • □ 暖房をつけると喉が乾きやすい
  • □ 水分摂取量が冬になると減っている
  • □ 肌がカサつきやすくなった
  • □ 夜中や朝方に咳き込むことがある

暖房による乾燥は、脱水や感染症リスクを高めます。
湿度は**40〜60%**を目安に、加湿やこまめな水分補給を意識すると安心です。

☑ 火傷・火災・転倒の危険はありませんか?

  • □ ストーブやヒーターの近くに物が置いてある
  • □ コードが床にそのまま伸びている
  • □ 動線上に暖房器具がある
  • □ 留守中も暖房をつけたままにしている

ほんの一瞬の油断が、火傷や転倒、火災につながることがあります。
暖房器具は置き場所と周囲の整理が何より重要だと、介護を通して実感しました。

☑ 低温やけどの心配はありませんか?

  • □ 電気毛布や電気マットを長時間使用している
  • □ 直接肌に触れる状態で使っている
  • □ 使用時間を決めていない
  • □ 皮膚の赤みや違和感を確認していない

低温やけどは、強い熱でなくても長時間の接触で起こります。
高齢者は痛みに気づきにくいため、直接触れない工夫定期的な皮膚チェックが大切です。

ひとこと実体験メモ

私自身、母の部屋を見直す中で「暖房器具の種類より、使い方と配置のほうがずっと大事」だと強く感じました。

高齢者の冬の在宅介護で、暖房の使い方や安全管理を見直している様子|低温やけど・乾燥・事故を防ぐ工夫

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90代の母を在宅介護する筆者

いとう よしみ

90代・要介護4の母を自宅で介護しながら、実体験をもとに
「無理をしない在宅介護の工夫」を記録・発信しています。

介護の現場で本当に役立った
介護保険サービスの使い方、在宅介護に便利なグッズ、
生活を少し楽に整える工夫を、体験ベースでわかりやすくまとめています。

同じ立場の家族介護者が、
「自分だけじゃない」と感じ、
少しでも気持ちを軽くできるような情報を大切にしています。

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