はじめての「金沢お家イベント」を思いついた日
今日は息子が母を見ていてくれたので、私は久しぶりに友人とゆっくり食事をし、少しだけ買い物をしてきました。
外で過ごす時間は、ほんの短い時間でも気分転換になります。
帰り道、ふと頭に浮かびました。
「今日はお家イベント、金沢編にしようかな」
金沢の蟹ご飯が入った懐石弁当を見つけ、YouTubeで金沢旅行の映像を流しながら、母と思い出話をしつつ食べる――
そんな光景を思い描いて、なんだか自分でもワクワク。
さらに、母の大好物である豆大福が目に入り、
「これは絶対に喜ぶ」と一緒に購入して帰宅しました。
ここまでは、完璧なシナリオだったのです。
シナリオ通りにいかないのが在宅介護
帰宅後、まずは懐石弁当をテーブルに置き、テレビに金沢の映像を映しました。
「よし、準備OK」
そう思って着替えとお茶の用意をしていると、
リビングから母の弾んだ声が聞こえてきました。
「美味しそうね。食べようかしら」
「いいよ〜」と返事をして戻った瞬間、
目に飛び込んできたのは――
豆大福を頬張る母の姿。
(あぁ……今、食べちゃったか……)心の中で静かにツッコミを入れつつ、
思わず笑ってしまいました。
金沢の映像と、豆大福談議
テレビには変わらず、金沢の街並みと海鮮の映像。
でも、母の関心はすっかり豆大福へ。
そこから始まったのは、思いがけず本格的な“豆大福談議”でした。
「この豆大福、本当に美味しいわねぇ」
「お豆は、えんどう豆を塩で煮るのが一番なのよ」
「岡埜栄泉か榮太郎の豆大福が一番おいしいの」
「榮太郎はね、黒豆なのよ」
驚くほど具体的な記憶。
普段は少しぼんやりすることがあっても、
好きなものの話になると、記憶がはっきりとよみがえります。
「よく覚えてるねぇ」と言うと、母は少し得意げに「覚えてるわよ〜」と笑いました。
予定変更でも、それが楽しければ大成功
やがて母は豆大福でお腹いっぱいになり、「お弁当は後で食べるわね」と言いました。
こうして、金沢懐石弁当はしばらくお預けに。
金沢の映像を背景に、話題は豆大福。
私の描いた「金沢を味わう日」は、見事に予定変更です。
でも、その様子が可笑しくて、可笑しくて。
後になって「豆大福の作り方動画でも流せばよかったな」と、
一人でクスッと笑ってしまいました。
寝癖を整えるように、気持ちも整える時間
食後、母の髪を見ると、少し寝癖がついていました。
そっとブラシを入れて整えると、母は鏡を見てにっこり。
大きなイベントじゃなくていい。
完璧な計画じゃなくてもいい。
母が笑って、「楽しかった」と感じてくれたなら、それで十分。
まとめ|予定外も含めて、在宅介護の日常
在宅介護では、思い描いた通りにいかないことの方が多いのかもしれません。
それでも「楽しかった」「笑えた」と思える時間があれば、それで十分だと感じるようになりました。
気持ちが行き詰まったときに、私自身が立ち止まるきっかけになった体験はこちらにまとめています。
▶ 在宅介護がつらいと感じたときに|介護中でも「できること」を見つけるための実体験
在宅介護は、思い通りにいかないことの連続です。
でも、予定外の出来事の中に、思いがけない笑いと温かさが生まれることもあります。
金沢でも、沖縄でも、甘味特集でも。
テーマは何でもいい。
母と一緒に笑える時間を、これからも少しずつ増やしていけたらと思います。
今日もまた、寝癖を整えるように、気持ちを整えながら過ごした一日でした。

