デイサービスに馴染めない母|人見知り・会話が少ない時の向き合い方と介護者の心のケア

デイサービスに馴染めず不安を感じる90代の母と向き合う在宅介護のイラスト
目次

デイサービスでの母の様子が気になった日

先週、ケアマネージャーさんから「お母さま、デイサービスで少し気になる様子があって…」と連絡がありました。
普段の母の姿からは予想していなかったので、思わず「人見知り!? 本当に?」と驚いてしまいました。
家ではよく笑い、よく話す母なので、その報告を聞いた瞬間、胸がざわざわと不安でいっぱいになりました。

2回目のデイサービスでは、ほとんど話さず、トイレにも行かず、ただ静かに座っていたと聞いて心配が募ります。

でも、慣れない場所でどう振る舞えばいいのかわからない気持ち、母ならきっとそうだろうなとも思うのです。家ではよく笑い、私とおしゃべりしている母だからこそ、外で緊張してしまうのも無理はありません。少しずつでいい。母のペースで馴染んでくれたら…そう願いながら、その日の夕方もいつも通り笑顔で「お帰り!」と迎えました。

母と「明日のデイサービス」について話してみた

夕食のあと、母とゆっくりお茶を飲みながら、さりげなく「明日のデイサービス、どうしようか?」と話を向けてみました。母は最初、「みんな何してるの?」と不安そう。それでも、「90歳を過ぎても元気でいるために行くところだよ。みんな、ちょっとずつ頑張ってるんだよ」と伝えると、母はしばらく考えてから「じゃあ、私も少し話してみようかな」と小さく笑いました。寝ている人もいれば、トランプをしている人もいると話してくれて、母なりに観察していることに気づきます。慣れるには時間がかかるけれど、母のペースで一歩ずつ。明日、少しでも心が軽く通えますようにと、そっと願いながらその日の会話を終えました

90代だからこそ、外の刺激は宝物になる

「家にこもっているより、みんなとお話ししたほうがボケ防止になるよ。みんな頭と心を元気にするために行ってるんだよ」と伝えると、母は「みんなボケないために、努力してるのね。私も明日は話してみるわ」と、やわらかく笑ってくれました。

母を見ていると、90代という年齢は「ゆっくり過ごすだけの毎日」ではなく、むしろ“外からの小さな刺激が心の栄養になる時期”なのだと感じます。家の中は安心できるけれど、景色も会話も限られてしまう。

だからこそ、デイサービスでの何気ない会話や、人の動き、聞こえてくる笑い声……そうしたちょっとした変化が、母の表情をふっと柔らかくしてくれるんだなと思います。もちろん最初は不安もあるし、戸惑いもある。でも、その一歩を踏み出した先で、母の世界が少し広がっていくのを見ると、本当に良かった。

90代の今だからこそ、その“外の刺激”が宝物になる。そう信じて、これからもそっと背中を押していきたいです。

慣れるまでは不安。でも「外に出る日」が増える価値

慣れるまでは心配はつきません。
でも、家で私とふたりで過ごすだけでは得られない刺激が、デイサービスにはあります。

母の様子を見ていると、初めての場所や新しい人との時間はどうしても不安がつきまといますが、一度外に足を運ぶと、家では得られない刺激や発見がちゃんと心に残るんですよね。会話のきっかけになったり、表情が明るくなったり、小さな変化でも確かな前進。だからこそ「外に出る日」が一つ増えるだけで、母の世界は少し広がるし、私の安心にもつながります。

「早く仲の良いお友達ができると良いな」
そう願いながら、明日の送り出しの支度を進めた夜でした。

私の時間、母の時間。どちらも大切にしたい

今日、母を息子にお願いし、私はマイナンバーの受け取りなどの用事を一気に済ませました。
家に戻って眠っている母の姿を見ると、ほっと胸を撫で下ろすのがいつもの流れです。

自宅介護をしていると、つい自分の時間を後回しにしてしまいがちです。母のことが心配で、家を離れるのが不安になることもあります。でも、私が元気でいることこそが、母の安心につながるんですよね。だから最近は「母の時間」と「私の時間」を、できるだけ分けて考えるようにしています。デイサービスに行ってくれる数時間は、私にとって心を整える貴重なリセット時間。母が安心して過ごせる場所があるからこそ、私も深呼吸ができる。お互いが心地よく、無理なく続けていけるように、これからもそのバランスを大切にしていきたいと思っています。

介護と並行して進む「私自身の仕事」

介護の合間に「自分の世界を少しだけ持つこと」は、私にとって大事な時間です。
私には、本業があります。WEBでの打ち合わせも多いです。でも、この仕事は私の大切な生き方の一部で、誰かの役に立てる喜びや、自分らしさを感じられる時間でもあります。介護と仕事の両立は決して簡単ではありません。
母の体調に合わせてスケジュールを調整したり、急な予定変更に対応したり、正直くじけそうになる日もあります。それでも、パソコンの前に向かう時間があることで、私の心が整う瞬間があります。

母の時間と私の時間、そのどちらも大切にするために、今日もできる範囲で少しずつ進めていく。そんなバランスを探しながら、毎日を積み重ねています。最近は専門家の動画やブログを見る機会が増え、「介護は経験だけじゃなく知識も大事なんだ」と実感する日々。ひとつ知るたびに心が軽くなる。そんな積み重ねが私を支えてくれています。

デイサービスデビューは、まだ始まったばかり

母が新しい環境に慣れてくれるかどうかは、これからのお楽しみ。
不安はあっても、母なりのペースで居場所を見つけてくれたら、それで十分。

介護は日々の小さな積み重ね。
そしてそのひとつひとつが、私と母のたいせつな記録になっていきます。
これからも見守りながら、一緒に歩いていこうと思います。

在宅介護を始めた頃の記録を振り返って

在宅介護を始めたばかりの頃は、
「これで合っているのかな」「母にとって無理をさせていないかな」と、毎日が手探りでした。

デイサービスや外の居場所に慣れるまでの戸惑いも、今振り返ると、あの頃ならではの不安だったと感じます。
在宅介護を始めた最初の一年に、私自身が感じたこと・悩んだこと・気づいたことをまとめた記事があります。

👉 初めての在宅介護で気づいたこと|要介護4の母との記録

当時の自分の必死さと、少しずつ変化してきた今の気持ちが、重なって見える方もいるかもしれません。

FAQ(よくある質問)

Q. デイサービスで話さず過ごすのはよくあること?

A. 私の場合は、慣れない場所では“様子を見るモード”になる方が多く、珍しいことではありません。と言われました。数回通ううちに環境に慣れ、話せるようになるケースが多いようです。

Q. 家では話せるのに、施設では静かになるのはなぜ?

A. 家と施設では環境が違うため、緊張や遠慮が出やすいようです。これは自然な行動で、問題行動ではないそうです。

Q. 家族ができるサポートは?

A. 本人が興味を持てる活動について、前向きなイメージを持てるよう伝えること。職員さんとの情報共有もとても有効でした。

Q. デイサービスの日、家族はどう過ごすべき?

A. 家族の休息日として使ってOKです。介護者が元気でいることこそ、在宅介護を続ける大切な力になります。

移動や外出の際には、通院・買い物代行サービスを併用すると安心です。

家の中の安全対策として、生活支援サービス活用法の記事も役立ちます。

食事面の見守りやサポートには、宅配食サービスまとめをチェックしてみましょう。

デイサービスに馴染めず不安を感じる90代の母と向き合う在宅介護のイラスト

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