車椅子でタクシーに乗る90歳の母|外出を阻む10cmの壁と小さな工夫

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免許を持たない私にとって、タクシーは生活の足

私は免許を持っていないため、母と外出する際はタクシーが欠かせません。
地元のタクシー会社の車種は、コンパクトミニバン、クラウン型、そして車椅子ごと乗れるUDタクシーの3種類です。

本当はUDタクシーが一番安心なのですが、台数がまだ少なく、タクシー乗り場で待っていると、ほとんどがコンパクトミニバンかクラウン型。

介護タクシーは予約制なので、計画的なお出かけには便利ですが、
「ちょっと買い物に行こうか」
「今日これを買いに行きたいね」
といった日常の外出には、なかなか使えません。

折りたたみ式車椅子とタクシーの相性

母は折りたたみ式の車椅子を使っています。
このタイプはクラウン型には乗らないため、必然的にコンパクトミニバンかUDタクシーを待つことになります。

母は90歳。
右も左も大腿骨を骨折して手術をしており、腕にも足にもほとんど力がありません。
足も思うように上げられないため、タクシーに乗る動作そのものが大きな負担になります。

コンパクトミニバンに乗るには、およそ20cmほど足を上げる必要があります。
手すりにつかまっても体を持ち上げる力がなく、シートにお尻が届かない。
そのたびに思うのです。
「あと10cm、シートが低かったら…」
「あと10cm、足を上げなくて済んだら…」

日常の外出で感じる「小さな不便」

私たちの外出は、

  • 自宅 → 目的地
  • 目的地 → 自宅
  • タクシー乗り場 → 自宅

この3パターンがほとんどです。

仕事柄、商品企画をしているせいか、「ここに、こんな物があったらいいのに」と、どうしても考えてしまいます。
母が乗り降りするたびに感じるストレスを、少しでも減らせないだろうか。

思いついたのは「低くて軽い踏み台」

ある日、ふと低くて軽い踏み台を車椅子のポケットに入れておけたらどうだろうと思い、すぐに調べてみました。

すると、ありました。

小原産業 プラスチック踏み台 高さ13cm 小型タイプ ブラウン

  • 高さ:13cm
  • 耐荷重:100kg
  • 滑り止めゴム付き
  • 重量:約850g

軽すぎると安定しないので、ちょうどよさそうなものを選び、購入。

実物を見て感じた安心感

届いてまず思ったのは、とにかくしっかりしているということ。
裏面には滑り止めがついていて、四つ脚すべてにゴムが付いており、端に片足で乗ってもガタつきません。

「これ、いいんじゃない?」
小さなエコバッグに入れて、車椅子の後ろポケットへ。

車椅子を折りたたんでタクシーに積む時も、邪魔にならなさそうです。

来週は、母を美容院に連れて行く予定があります。
髪を染めて、パーマをかけて、−10歳若返らせる予定(笑)
そのときに、さっそく試してみようと思っています。

いくつになっても「したいこと」は変わらない

母は言います。

  • たまにはスーパーや百貨店で、自分で商品を選びたい
  • いつもの美容院でパーマをかけたい
  • 外食もしたい

当然だと思います。

旅行のような特別な外出は準備をすれば何とかなります。
でも、本当に大切なのは「日常」。
外出が病院だけになる生活は、自分がその立場だったとしても、やはりつまらないと思うのです。

介護する側の体力と、続けるための工夫

正直なところ、私自身も若くはありません。
車椅子を押しての外出は、体力的にもかなり重労働です。

最近はバッグも、軽くて機能的な斜めがけかリュックに変えました。
長時間の外出になると、母も疲れるようで、帰宅後はぐっすり眠ります。

コロナ禍で入院していた頃、面会ができず、院内でほとんど会話をしなかった影響は大きかったと感じています。
入院前と後では、反応が明らかに鈍くなりました。
だからこそ、日常の会話を増やし、月に3〜5回は街に連れ出す
それを、今の目標にしています。


おわりに|10cmの壁を越えるために

ほんの10cm。
それだけで、外出のハードルは大きく変わります。

大がかりな工夫でなくても、小さな道具ひとつで、「出かけよう」という気持ちを守れることがある。
そんなことを、今回の踏み台選びを通して改めて感じました

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90代の母を在宅介護する筆者

いとう よしみ

90代・要介護4の母を自宅で介護しながら、実体験をもとに
「無理をしない在宅介護の工夫」を記録・発信しています。

介護の現場で本当に役立った
介護保険サービスの使い方、在宅介護に便利なグッズ、
生活を少し楽に整える工夫を、体験ベースでわかりやすくまとめています。

同じ立場の家族介護者が、
「自分だけじゃない」と感じ、
少しでも気持ちを軽くできるような情報を大切にしています。

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