はじめに
2022年12月、母が最初の大腿骨骨折から回復していく過程で、
「できるだけ動かなくても快適に過ごせる環境を作りたい」と強く思うようになりました。
そこで私が最初に導入したのが、音声で操作できるスマートスピーカーAmazon の Alexa(アレクサ)です。
電気のON/OFFだけでなく、音楽や天気、時刻も声ひとつで確認できるようになり、
母の生活がどれだけ楽になるのか——その変化を実体験とともに記録します。

電気をつけるだけでも負担が大きい毎日
Alexa(アレクサ) をリビングに1台、そして母のベッドの横にも1台。どちらもすぐに使えるように設置し、生活の一部に溶け込ませるようにしました。
母は足が悪いため、ちょっとした動作でも思った以上に負担がかかります。特に夜、電気をつけたいと思ってもリモコンを取るために身体をねじったり起き上がったりしなければならず、毎回その負担が大きいと感じていました。
「アレクサ、電気つけて」
この一言で明かりがつくようになれば、母も私もどれほどラクになるだろう──。そう思って調べ始めたのですが、まず一つ大きな問題が判明します。
母の部屋の照明がAlexaに対応していない。
どのシーリングライトが適合するのか調べ、できるだけコストを抑えつつ、使いやすいものを選びました。
最終的に購入したのは アイリスオーヤマのAlexa対応 LEDシーリングライト(9,680円)。設定はとても簡単で、すぐに母の部屋でも音声操作できるようになりました。
高齢者にとって「声だけで操作できる」便利さ
設定が終わったあと、母に試してもらうと──
「便利ね〜!」(驚きの笑顔)
布団から起き上がらなくても
「アレクサ、電気つけて」「アレクサ、電気消して」
と声をかけるだけで操作できます。
高齢者にとって「身体を動かさなくていい」ということは、安全面でも精神面でもとても大きなメリットです。夜中のトイレ前の電気操作もスムーズになり、母の安心度が一気に上がりました。
私が側にいない時に起き上がって転びそうになったことも何度もあるのでセンサーマットもとても便利に使っています。

翌日発覚した“まさかの問題”…「アレクサ」を忘れる
とても便利だった初日。しかし翌日、新たな壁が現れました。
母が「アレクサ」という呼びかけの名前を忘れてしまうのです。
確かに高齢になると“新しい固有名詞”は覚えにくくなります。
そこで母のベッド脇に 大きく「アレクサ」と書いた紙 を貼ることにしました。すると徐々に呼びかけが定着し、スムーズに使えるように。
小さな工夫ですが、こうした調整は介護の現場では本当に大切だと感じました。

音楽が母の生活にリズムを取り戻す
操作に慣れてくると、母は音楽を楽しむようになりました。
「アレクサ、美空ひばりかけて」
「越路吹雪のサントワマミーかけて」
懐かしいメロディが流れると、母はゆっくり口ずさんだり、ときには一緒に歌ったり。(笑)
音楽は気持ちを落ち着かせ、生活にリズムを作ってくれるので、介護の一部としてもとても有効だと実感しました。
私自身もAlexaの便利さに救われた
母だけでなく、私自身も何度もAlexaに助けられています。
- 「アレクサ、マヨネーズ買い物リストに入れて」
- 「アレクサ、今日のニュース教えて」
- 「アレクサ、さわやかな曲かけて」
- 「アレクサ、今日雨降る?」
忙しい介護の合間に、手を止めることなく操作できるのは本当に便利。
「買い忘れが減る」「一息つける時間が増える」など、介護者の負担も確実に軽減されます。
まとめ
Alexaを導入してみて驚いたのは、ほんの小さな動作の自動化が、介護生活全体のストレスを減らしてくれるということです。
- 母が自分でストレスなく電気をつけられるようになりました
- 好きな時に好きなタイミングで好きな音楽がきけて生活に彩りが生まれました
- 私自身も家事・買い物がスムーズになりました
介護に必要なのは“完璧な手助け”ではなく、
小さな負担をひとつずつ減らしていく工夫 なのだと改めて感じています。
在宅介護を始める方、現在自宅介護中の方には、スマート家電の導入は本当におすすめです。





