火曜日の朝は、少し特別
——デイサービス前の母の支度
火曜日の朝は、わが家にとって少し特別な時間です。
週明け最初のデイサービスの日。母はその日をきちんと分かっているのか、今朝も夜明け前にすっと目を覚ましました。
まだ外には冷たい空気が残っていますが、
「今日も頑張るわ」
そんな表情を向けられると、私も自然と背筋が伸びます。
介護の日常は同じことの繰り返しのようでいて、こうした小さな違いが確かにあります。
朝の身支度と、母の表情が変わる瞬間
温かいタオルと、ゆっくりした準備
あらかじめ準備しておいた洋服に、母はゆっくりと袖を通します。
私は温めておいたタオルで、顔をそっと拭きました。
化粧水をのせ、乳液で包み込むと、冬の乾いた空気で少しこわばっていた表情が、少しずつ緩んでいくように感じます。
髪を整え、鏡を覗いた母が「今日はいい感じね」と小さくうなずいた、その瞬間でした。
口紅一本で、空気が変わる
「おかあさん、薄く口紅つけてみる?」そう声をかけると、母は少し戸惑いながら言いました。
「口紅なんて、おかしくない?」
「ぜんぜん。うす〜くつけると、顔がぱっと明るくなるよ」
「そう? じゃあ、うすくね」そう言って口紅を手に取り、軽くひと塗りして、ティッシュを噛む仕草まで昔のまま。
その瞬間、母の顔がふわっと華やぎました。
「お母さん、すごくいいよ」
「そう? あら、なんだか若返った気がするわね」
母の表情が明るくなるだけで、部屋の空気まで変わったように感じました。
口紅一本の力。
本当に侮れません。
こうした小さな変化や楽しみは、ほかの日常の中でも何度も母を支えてくれています。
▶︎ 92歳の母と楽しむおうち時間|在宅介護中でも笑顔が増えた連休の工夫
デイサービスへ送り出したあとの時間
母を見送って時計を見ると、もうすぐ10時。今日は10時半には会社へ行かなければなりません。
介護・家事・仕事が重なる朝
片付け、洗濯、愛犬のご飯作り。
お気に入りの音楽を流し、香りのいいコーヒーを淹れて、今こうしてブログを書いています。
「今日もやることがいっぱいだな…」そう思いながらも、どこかで
「忙しいくらいのほうが、私にはちょうどいい」と思っている自分もいます。
昨夜は確定申告で…(笑)
昨夜は確定申告の準備で遅くなり、鏡を見て思わず
「80歳くらいに見えるじゃない!」と、自分でツッコミを入れて笑ってしまいました。
それでも、忙しさの中には、ちゃんと小さな楽しみがあります。
母の口紅、アイスコーヒーの香り、愛犬の眠そうな目。
そのひとつひとつが、介護生活の中で私をそっと支えてくれています。
忙しさの中で、気持ちが追いつかなくなる日もあります。
そんなときに、私自身が何度も立ち止まって考えてきたことを、こちらにまとめています。
▶︎ 在宅介護がつらいと感じたときに|介護中でも「できること」を見つける実体験
今日もひとつずつ
——介護と仕事の両立のなかで
さて、そろそろ私自身も身支度をして、気持ちだけでも若返って会社へ向かわなくては。
介護と仕事の両立は、正直きれいごとではありません。
余裕のない日も、疲れ切る日もあります。
それでも、こうした小さな温かい瞬間をこぼさずに拾いながら、今日もひとつずつ。
無理をしすぎず、それでもちゃんと前に進んでいきたいと思います。
年齢を重ねること、老いと向き合うことについては、別の記事でも静かに考えています。
▶︎ 母が92歳になり「老い」を考える|在宅介護の日常から見えた楽しみと工夫

