退院して戻ったわが家の日常
母の笑顔が教えてくれた「家の力」
昨日、母が無事に退院しました。
病院にいる間は、どこかぼんやりした表情の日もあり、正直なところ心配が尽きませんでした。でも、自宅に戻った母は思っていた以上に頭がはっきりしていて、その姿を見た瞬間、胸の奥に溜まっていた緊張がすっとほどけた気がしました。
毎日のリハビリがしっかり効いていたようで、動きも軽やか。
当初はデイサービスを週3回から2回に減らす予定でしたが、今の様子なら無理のない範囲で3回通った方が良さそうだと判断し、退院翌日から再開することにしました。
「やっぱり家が一番落ち着くわね」
帰宅後、母がそう言ったひと言が、何よりの安心材料でした。
肺炎による入院から、在宅介護へ戻るまでの記録
母が肺炎で入院する前後の出来事や、
在宅介護へ戻るまでの流れを、時系列で記録しています。
同じような不安を抱えている方の参考になれば幸いです。
▶ 母の体調が急に不安定に|在宅介護で気づいた小さな変化と向き合う日々
▶ 母が肺炎で入院しました|体調急変・救急搬送・在宅介護の不安と決断の記録
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朝の支度ができるという喜び
できることが自信につながる瞬間
退院後、初めて迎えた朝。
母は自分で温かいタオルを用意し、顔を拭き、化粧水と乳液をつけ、鏡を見ながら髪を整えていました。以前なら私が声をかけて手伝っていた一連の流れを、自然にこなしている姿に、思わず胸が熱くなります。
「自分でできる」という感覚は、体だけでなく心にも大きな力を与えてくれるのだと、改めて感じました。
そこへ息子たちが母の顔を見に来てくれて、久しぶりの孫との再会に、母の表情は一気に明るくなりました。
家族の存在が、これほどまでに回復を後押しするのかと、在宅介護ならではの良さを実感した瞬間です。
排泄ケアの悩みと、ペットボトルの小さな工夫
おむつかぶれと向き合う日々
現在、母は残尿を促す薬を服用しているため、排尿のタイミングを自分で調整するのが難しい状態です。
パンツ型おむつで対応していますが、もともと肌が弱く、デリケートゾーンのおむつかぶれが入院でとても痛々しくなってしまいました。
どうすれば少しでも負担を減らせるのか。悩んだ末に試してみたのが、ペットボトルを使ったお湯洗浄です。
ペットボトルの蓋に小さな穴をいくつか開け、ぬるめのお湯を入れてやさしく流す。
それだけのことですが、母は「すごく気持ちいい!」と、思いがけないほど喜んでくれました。
ウォシュレットと併用すると、広い範囲をやさしく洗えるのも助かります。
赤ちゃんのように洗面器に座らせて洗うことはできなくても、大人には大人なりの工夫がある。
そんな当たり前のことを、改めて実感しました。
腰だけを覆う防水シーツも洗い替え用に3枚用意し、バスタオルやフェイスタオルと組み合わせながら、今のところは無理なく回せています。
ペットボトル、本当に侮れません(笑)。
在宅に戻ると「家でできそう」と思えることも増えますが、安全面では慎重さが必要だと感じた経験もあります。
▶ 在宅介護で家の湯船に挑戦した結果|準備万端でも危なかった入浴の現実
たけのこご飯がつないでくれた時間
家族と友人の温かさ
ちょうどよいタイミングで、長年の友人が掘りたてのたけのこを茹でて送ってくれました。
10代の頃からの友人で、若い頃は我が家にもよく遊びに来ていたので、母も顔をよく覚えています。
そのたけのこで作った、香りいっぱいのたけのこご飯。
母は「本当に美味しいわね」と何度も言いながら、ゆっくり味わって食べてくれました。
安心したのか、その夜は久しぶりにぐっすり爆睡。
やはり「家で過ごす」「家族と食卓を囲む」という時間には、何よりの回復力があるのだと感じます。
在宅に戻ってから感じた、気持ちの変化や小さな前進については、こちらにも残しています。
▶ 介護中に感じた喜びと学び:今日の小さな発見
「食べたい」が聞ける幸せ
退院後の暮らしは、少しずつ
今日は母から「竜田揚げが食べたい」というリクエスト。
孫たちも来る予定なので、これから買い物に行くところです。
食べたいものを口にしてくれること。
それだけで、こんなにも嬉しいものなのかと、介護をしていて初めて知りました。
退院したからといって、生活がすぐに元通りになるわけではありません。
排泄ケア、生活リズム、体力の回復など、やることは山ほどあります。
退院後しばらくして、少しずつ日常が落ち着いてきた頃、
わが家では 排泄の回数が増えたことによる「おむつかぶれ」 という新しい悩みが出てきました。
痛そうにする母の姿に戸惑いながら、試行錯誤してたどり着いたケア方法を、
▶ 在宅介護で悩んだオムツかぶれ|術後に悪化した母のおしりトラブルを改善できた方法
にまとめています。
退院後しばらくしてから、動作や筋力の変化に気づくこともありました。
▶ 母の筋力低下を、はっきりと感じた一週間
それでも「今日も母が笑ってくれた」
その事実が、明日へ進む力になります。
これからも、小さな工夫を重ねながら、母と一緒にゆっくりと暮らしを取り戻していきたいと思います。
よくある質問(FAQ)退院直後の在宅介護でよくある不安と工夫
Q1. 退院直後の在宅介護で、まず気をつけるべきことは何ですか?
A.退院直後は「元気そうに見える」状態と「体力が戻っている」状態が一致しないことが多く、無理をさせないことが最優先だと思います。生活リズムを急に戻そうとせず、できること・疲れることを一つずつ確認しながら、家でのペースを整えていくことが大切だと思っています。
Q2. 自宅に戻ると、なぜ表情や反応が良くなることがあるのでしょうか?
A.自宅は本人にとって「安心できる環境」であり、緊張がほどけやすい場所です。慣れた音や匂い、家族の存在が刺激となって、頭がはっきりしたり、表情が明るくなるケースは多いようです。
在宅介護ならではの回復の力だと感じています。
Q3. 退院後すぐにデイサービスは再開したほうがいいですか?
A.体調や本人の様子を見ながら判断するのが基本だと思います。無理のない範囲で再開することで、生活リズムが整い、体力維持や気分転換、早期回復につながることもあります。我が家は主治医やケアマネジャーと相談しながら調整しました。
Q4. 排泄ケアでおむつかぶれを防ぐためにできる工夫はありますか?
A.肌を清潔に保つことが何より大切です。ウォシュレットだけに頼らず、ペットボトルにぬるめのお湯を入れてやさしく洗い流す方法は、刺激が少なく負担を減らせます。洗浄後はしっかり乾かし、必要に応じて保護ケア(薬を塗る)を行うことで、かぶれの悪化を防ぎやすくなります。
Q5. 高齢の親が「食べたい」と言ってくれることは、なぜ大切なのですか?
A.「食べたい」という気持ちは、体調や意欲のバロメーターでもあります。量や栄養だけでなく、本人の気持ちを尊重することで、食事の時間が楽しみになり、生活全体の前向きさにもつながります。
在宅介護では、こうした小さなサインを見逃さず、大切にしたいと感じています。

